辻岡健象

辻岡健象の生涯と業績

辻岡健象（つじおか けんぞう、1933年 - 2022年12月16日）は、日本の牧師及び伝道者として知られています。特に「小さないのちを守る会」の設立者であり、その代表を務める中で命の大切さを広める活動をしてきました。

生い立ちと信仰の確立

和歌山県で生まれた辻岡は、1954年に20歳という若さでイエス・キリストを信じ始めました。この年に洗礼を受け、信仰の道を歩み始めました。その後、明治大学の政経学部と聖書神学舎を卒業し、まずはビジネスマンとしてのキャリアをスタートさせました。

しかし、ある日、彼は天国の入り口で神に自らの生き方を問われる夢を三度見ることになります。この経験が彼を神学校へ進む決意へと導きました。これは彼にとって大きな転機であり、経済的に不安定な未来を抱える中で、彼は妻にその思いを打ち明けますが、家族からの強い反対に直面します。

牧師としての歩み

福音自由教会の牧師として活動を始めた辻岡は、長い間、牧会と伝道に尽力しました。1984年になると、「小さないのちを守る会」を設立し、現代の問題である人工妊娠中絶問題に取り組みました。この団体は、中絶を考える母親に対して新生児の養子縁組を提案し、少しでも命が守られるよう努めてきました。ただし、現在では養子縁組の斡旋は行っていませんが、彼の基本的な信念は変わっていません。

中絶に関する議論と活動

辻岡は産科婦人科医である菊田昇に「中絶は殺人ではないのか」という問いを投げかけました。この質問は深い議論を呼び、1988年には特別養子制度が始まるきっかけともなります。菊田医師はその後、回心しクリスチャンとなり、同様の理念を持つ「小さないのちを守る会」を設立しました。また、他の超宗派の「いのちを守る親の会」の結成時には、彼らを応援する手紙を送るなど、支持の姿勢を見せました。

著書と影響

辻岡の思いは著書にも表れています。彼の著作には、『小さな鼓動のメッセージ』（1999年）、『日本のリバイバルを求めて―奥山実対談集』（共著）、及び『福音を生きる―文化の形成をめざして』（共著、2002年）があり、彼の考えや信仰に対するアプローチが垣間見えます。これらの著作は多くの人々に読まれ、影響を与え続けています。

結論

辻岡健象の生涯は、信仰に基づいた命の尊重の大切さを伝えるものでした。彼の活動は、日本の社会における倫理的な問題へと目を向けるきっかけを作り、多くの人々に感銘を与えています。彼の功績は、今も多くの人々に受け継がれており、命の大切さを訴える活動にとって重要な歴史の一部となっています。

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