辻第一

辻 第一（つじ だいいち） - 医師・政治家の生涯

辻第一（本名：つじ ていいち）は、1926年2月6日に京都で生まれた日本の医師および政治家で、2013年1月4日に86歳で亡くなりました。彼は日本共産党の公認候補として衆議院議員を通算6期、17年間務め、その生涯にわたって医療の現場と政治の両方で大きな影響を与えました。

学歴と初期のキャリア

辻氏は京都大学附属医学専門学校を卒業した後、1949年に伏見保健所に勤務。その後、1955年には奈良民医連に加盟する医療法人岡谷会岡谷病院での勤務を経て、1963年には片桐民主病院に移籍し長を務めました。医師としての経験から、彼は患者の健康に心を寄せる一方で、医療制度の整備に強い関心を持つようになります。

政治への道

1966年に政治への関与を決意し、日本共産党に入党しました。その後、1976年の衆院選に初挑戦しますが、約6万票で落選しました。しかし、彼は諦めず、1979年の選挙に再挑戦し、約9万票を獲得して当選。これは共産党にとっては竹村奈良一以来30年ぶりの快挙でした。選挙事務所には党員や支持者が集まり、喜びが爆発したと言います。

議員としての活動

辻氏は議員として、衆議院内閣・決算・運輸・建設の各常任委員、交通安全特別委員などを歴任し、医療と暮らしを守るための積極的な提言を行いました。彼は特に、建築基準法の改正に反対し、政府の姿勢を厳しく質す姿勢を見せました。また、2002年には、大滝ダムの地滑りの危険性を指摘し、ドクターヘリの導入を提唱するなど、医療現場の改善にも努めました。

医師としての信念

辻氏は、医師としての職務を通じて「政治の貧困さ」を痛感し、その経験が彼を政治活動に向かわせたと言われています。彼のスローガンは「いのち第一、辻第一」で、常に患者の命を守ることを最優先に掲げていました。加えて、選挙期間中には奈良市の商店街で手作りの三笠を支持者に振る舞うなど、地域との交流を大切にしていた姿勢が評価されていました。

晩年

辻氏は2000年に議員を引退しますが、その後も様々な著作を通じて医療や政治についての考えを発信し続けました。彼は2013年に腎不全で亡くなるまで、多くの人々に尊敬される存在でした。葬儀は7日奈良やま会館で行われ、夏に平群町の墓地に合葬されました。彼の政治的信念と医師としての献身が、多くの人に影響を与え続けています。

特筆すべき著作

辻第一は多くの著作を残しており、彼の考え方や医療への信念を知る手がかりとなります。特に「いのちが大切にされる世の中へ」や「視点を教えてくれた部落の生活」といった著作は、彼の視点を反映した重要な作品となっています。

まとめ

辻第一の生涯は、医療と政治の両局面で「いのち」を最優先に考えたものでした。彼の活動は、現在の医療制度や政治に対する刺激となり、多くの人々が彼から学ぶべき教訓を残しています。

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