近山晶

近山晶：日本の宝石学の父

近山晶(1921-2007)は、日本の宝石学界における巨人であり、「日本の宝石学の父」と称される人物です。山梨県甲府市に生まれ、山梨大学工学部を卒業後、その卓越した知識と経験で日本の宝石学の発展に大きく貢献しました。

輝かしい経歴と多大な貢献

近山氏は、山梨県立研磨工業指導所の研究主査として硬脆材加工の指導にあたり、その後、英国宝石学協会のフェロー（FGA）の資格を日本人2人目として取得。この快挙は、彼の高い専門性を示すものでした。1979年には近山晶宝石研究所を設立し、所長として研究活動に尽力しました。

教育者としても活躍し、山梨大学や山梨県立宝石美術専門学校の講師を務め、多くの後進を育成しました。全国宝石学協会を創設し、その発展にも貢献。国際宝石学会議（IGC）名誉メンバーをはじめ、イギリス、カナダ、スリランカ、ブラジル、中国など、世界各国の宝石学協会の名誉会員も務め、国際的な評価も高く、その影響力は日本を飛び越えていました。

宝石学に関する研究と出版活動

近山氏の業績は研究活動や出版活動にも見られます。『宝石・貴金属大事典』は日本図書館協会選定図書に選ばれるなど、高い評価を受けました。また、『インクルージョンによる宝石の鑑別』など、宝石の鑑別に関する専門書を多数執筆・編纂し、宝石学の発展に大きく貢献しました。これらの書籍は、現在も宝石学を学ぶ者にとって貴重な資料となっています。

日本の宝石学発展への多大な影響

近山晶宝石研究所の設立は、日本の宝石学研究の拠点形成に繋がりました。彼の指導の下で育った多くの宝石学者は、現在も日本の宝石業界を支えています。彼の功績は、日本の宝石学の発展に計り知れない影響を与えました。

国際的な活躍と高い評価

近山氏は、国際宝石学会議の日本代表を務めた娘、大久保洋子氏、FGA・DGA資格を持つ孫娘など、家族にも宝石学の才能を受け継がせています。これは、彼の宝石学への情熱が家族にも受け継がれていることを示しています。

日本の宝石学界におけるレガシー

2007年に85歳で亡くなりましたが、その功績は日本の宝石学界に今も深く刻まれています。「日本の宝石学の父」として称えられる近山晶氏は、日本の宝石学の発展に貢献しただけでなく、世界的な宝石学の発展にも貢献した偉大な宝石学者でした。2022年にはGSTV本社で「近山晶コレクション」が公開開始され、その功績は今なお広く知られています。彼の研究成果や教育活動、そして出版物は、日本の宝石学の発展に大きく貢献し、未来の宝石学者たちにも大きな影響を与えるでしょう。

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