山梨県立宝石美術専門学校

山梨県立宝石美術専門学校：日本の宝飾技術を支える公立学校

山梨県甲府市に位置する山梨県立宝石美術専門学校は、日本で唯一の公立系の装身具（ジュエリー）専門学校として知られています。山梨県が設置者となり、地元の宝飾産業を支える人材育成を目的として1981年に開校しました。以来、高度な技術とデザインセンスを備えたジュエリー職人を数多く輩出し、日本の宝飾業界に貢献しています。

学校の歴史と変遷

専門学校の設立構想は1973年に発表され、幾度かの検討を経て1977年に設置が認可されました。当初は専門課程と一般課程が設置され、入学者はそれぞれ20名ずつでしたが、時代とともに学科体制や学生数は変化を遂げてきました。1989年には学科再編が行われ、専門課程の学科数が増員されました。その後も、1993年には一般課程の学科区分廃止、1996年には専門課程の増員と科目等履修生の設置などが行われ、教育内容の充実を図ってきました。2007年には学科再編により専門課程は1学科50名となり、夜間制の高度技術専門コースが新設されました。2010年には甲府市中心部の複合ビル「ココリ」に移転し、より近代的な学習環境が整備されました。

教育内容とカリキュラム

山梨県立宝石美術専門学校では、ジュエリーデザインから制作、そして販売にいたるまでの幅広い知識と技術を学ぶことができます。主要な学科である「ジュエリー学科」は3年制で、デザイン、材料、加工技術、宝石学など、ジュエリー制作に必要な専門科目を体系的に学習します。さらに、夜間制の「高度技術専門コース」は、既に産業経験を持つ社会人を対象としたコースで、より高度な技術の習得を目指します。卒業生は、数年間の産業経験の後、ジュエリーマスター認定制度の認定を経て、熟練の職人として活躍する道が開かれています。

学校施設とアクセス

学校には、コンピューター室、宝石加工室、貴金属加工室、デザイン室、精密測定室など、充実した設備が整っています。これらの施設は、学生たちが実践的な技術を習得する上で不可欠なものです。学校へのアクセスも良好で、JR甲府駅より徒歩10分という利便性の高さも魅力の一つです。自動車で来校する場合は、ココリビルの駐車場を利用できますが、有料であることと、学校のある階とはエレベーターで直結していない点には注意が必要です。

教育の特色と課題

公立学校であるため学費が比較的安価であることは大きなメリットですが、新聞報道などでは、「自習時間が少ない」「海外研修がない」といった課題も指摘されています。これらの点については、学校側も改善に向けて努力を続けていると考えられます。

まとめ

山梨県立宝石美術専門学校は、日本の宝飾業界を担う人材育成に貢献する重要な役割を担っています。歴史と伝統を誇りながらも、時代の変化に対応した教育体制を整備し、今後も多くの優秀なジュエリー職人を輩出していくことが期待されます。 卒業生たちは、山梨の宝飾産業のみならず、日本の宝飾業界全体に貢献していると言えるでしょう。 今後、学校がどのような発展を遂げていくのか、注目に値します。

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