近江 (新潟市)

概要

近江（おうみ）は、新潟県新潟市中央区に含まれる町字である。現在の行政上の区分は、近江一丁目から近江三丁目までで構成されており、これらの区域では住居表示が実施されている。郵便番号は950-0971が割り当てられている。

この地は、信濃川の下流部、その右岸に位置する内陸のエリアに広がる。その歴史は古く、もとは江戸時代に開発された近江新田という区域の一部を占める。昭和時代後期にあたる昭和20年代の終わり頃から都市化の兆しが見え始め、特に1958年（昭和33年）に新潟駅が現在の場所に移転してからは、周辺地域の変化と連動し、住宅地及び商業地域としての発展が急速に進んだ。

行政区画としては、1889年（明治22年）以降は大字として存在し、1989年（平成元年）からは住居表示実施区域の一部として町名としての性格も持つようになった。

地理

新潟市中央区の南東部寄りに位置しており、複数の町字と境を接している。隣接する町字は、北側から時計回りに以下の通りである。

• - 堀之内
• - 堀之内南
• - 和合町
• - 女池
• - 新和
• - 上所
• - 下所島

歴史

近江地域の前身である近江新田の開発は、江戸時代の正保元年（1645年）に行われたと伝えられている。この新田開発が、現在の近江の土地の基礎を築いた。

明治時代に入り、町村制の施行に伴い、1889年（明治22年）4月1日には周辺の村々と合併し、鳥屋王村の大字「近江新田」の一部となった。この「近江新田」という大字名は、その後1923年（大正12年）まで使用された。

さらに1901年（明治34年）11月1日には、新たな合併によって鳥屋野村が成立し、近江新田を含む地域はその大字の一部として引き継がれた。

第二次世界大戦中の1943年（昭和18年）5月3日には、戦時下の行政効率化の一環として、鳥屋野村が新潟市に編入された。これにより、近江は新潟市の大字となった。

戦後、特に昭和20年代後半からは、新潟市の都市圏拡大に伴い、近江地域でも変化が顕著になってくる。そして、1958年（昭和33年）に新潟駅が万代島から現在地の笹口に移転したことは、近江のその後の発展に決定的な影響を与えた。駅に比較的近い内陸部であるという立地から、利便性が向上し、それまで主として農地であった区域に住宅や商業施設が次々と建設され始めた。この時期から、近江は急速に宅地化、商業地化が進み、都市の一部としての性格を強めていった。

平成に入り、1989年（平成元年）11月6日にはこの地域を含む一部区域で住居表示が実施された。これにより、町名として近江一丁目から近江三丁目が新たに設定され、現在の町並みの基礎が形成された。

また、かつて近江の一部であった区域からは、新たな町字が分立している。2000年（平成12年）7月3日には新和が、そして2004年（平成16年）11月15日には上近江がそれぞれ近江から分離し、独立した町名として成立した。

2007年（平成19年）4月1日、新潟市が政令指定都市へ移行したことに伴い、近江は新設された中央区の町丁の一つとなった。

交通・施設

近江地域の主要な道路としては、新潟県道51号新潟黒埼インター笹口線が通っており、地域の交通を支えている。

教育施設としては、地域内に新潟市立上所小学校が所在している。

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