近江兄弟社

株式会社近江兄弟社

株式会社近江兄弟社は、滋賀県近江八幡市に本社を置く医薬品メーカーです。「近江兄弟社メンターム」で広く知られ、医薬品・医薬部外品・化粧品等のスキンケア商品を製造販売しています。

創業とヴォーリズ

1905年、創業者であるW・M・ヴォーリズはキリスト教の伝道のため来日し、近江八幡の地で英語教師として活動を始めました。ヴォーリズは伝道活動と並行して、1908年に建築家レスター・チェーピンらと共に建設設計の仕事をスタートさせます。1910年には、宣教活動の経済的基盤を確立するため、「ヴォーリズ合名会社」を設立。これが、後の近江兄弟社の製薬事業の始まりとなります。

ヴォーリズは1964年に生涯を終えるまで近江八幡に留まり、キリスト教伝道とその主義に基づく様々な事業を展開しました。その精神は、現在の近江兄弟社にも受け継がれています。

メンソレータムからメンタームへ

近江兄弟社は当初、アメリカのメンソレータム社の製品を日本で販売していました。メンソレータムの販売は、ヴォーリズの事業を大きく支えましたが、1974年に会社更生法を申請した際、販売権を失います。その後、大鵬薬品工業の協力を得て、メンソレータムの製造設備を活かしたオリジナル製品の開発に着手。「メンターム」という名前で新たなスタートを切りました。

キリスト教精神と事業展開

近江兄弟社は、キリスト教の信仰に基づいた企業活動を行っています。「信仰と商売の両立」を企業理念に掲げ、皮膚薬のトップメーカーとして着実に業績を伸ばしてきました。また、グループ企業では、建築設計事務所、病院、介護老人保健施設、学校なども経営しています。

社会貢献活動

近江兄弟社は、社会貢献活動にも熱心に取り組んでいます。倒産からの再建時、大鵬薬品工業からの支援をきっかけに始まった「ニコニコ活動」は、チャリティバザーや地域への献金、災害地への復興支援など、多岐にわたります。この活動は、ヴォーリズの精神を受け継ぎ、社会への感謝の気持ちを形にするものとして、現在も継続されています。

沿革

1910年：ヴォーリズ合名会社設立
1920年：近江セールズ株式会社設立、メンソレータム輸入販売開始
1944年：株式会社近江兄弟社に社名変更
1974年：会社更生法申請
1975年：メンタームの製造・販売開始

事業所

本社・工場：滋賀県近江八幡市
東京営業所：東京都千代田区
大阪営業所：大阪府大阪市
名古屋営業所：愛知県名古屋市
札幌出張所：北海道北広島市
九州出張所：福岡県北九州市

主な商品

近江兄弟社メンターム
近江兄弟社メンタームEXプラス
近江兄弟社メンターム薬用リップスティック

関連団体

公益財団法人近江兄弟社
学校法人ヴォーリズ学園
* 株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所

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