近江鉄道900形電車

近江鉄道900形電車

近江鉄道900形電車は、2013年6月14日に運行を開始した通勤形電車です。この車両は、西武鉄道から譲渡された新101系電車を改造したもので、近江鉄道では約15年ぶりの新形式車両となりました。本項では、900形電車を「本系列」と記述し、編成を指す際は、各編成の近江八幡・貴生川方先頭車であるモハ900形の車両番号を用いて「901編成」のように表記します。

概要

2009年以降に西武鉄道から譲り受けた新101系電車のうち、元269編成（クモハ269-クモハ270）を、近江鉄道彦根工場で改造し、モハ900形901-モハ1900形1901として導入されました。導入に際しては、ワンマン運転に対応するための改造のほか、以下のような点が変更されました。

行先表示器のLED化
ドアチャイムの新設
手すりやつり革の黄色塗装化
優先席のクロスシート化

これらの改造は、バリアフリーへの対応を目的として行われました。LED式行先表示器とドアチャイムは、近江鉄道では初の採用例です。また、820系まで行われていた裾角部分を切り欠く改造は、地上設備の改修により不要となったため、本形式以降は省略されています。

車体塗装は、琵琶湖をイメージしたダークブルーを基調とし、前面から側面にかけてローズピンクの帯が配されています。各客用扉下部には、ローズピンク色のイルカのイラストが描かれており、親しみやすいデザインとなっています。このダークブルーは、近江鉄道の親会社である西武鉄道が保有するプロ野球チーム、埼玉西武ライオンズのチームカラー「レジェンドブルー」を意識した色でもあります。登場当初は、このカラーリングから「淡海号」と呼ばれていました。

主要機器は西武時代から大きな変更はありませんが、ブレーキは従来のHSC電磁直通ブレーキからHRD-1電気指令ブレーキへ改造されています。

運用

901編成は、2013年6月14日に彦根駅で出発式が行われ、彦根 - 米原駅間のノンストップ臨時列車で運用を開始しました。その後、近江鉄道ミュージアムで一般公開された後、6月17日から多賀線を除く全線で営業運転を開始しました。後に高宮駅の多賀線ホームの工事が完了し、近江鉄道線全線で運用されています。

2018年7月16日からは、滋賀県観光キャンペーン「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」をPRするため、キャンペーンナビゲーターである西川貴教の写真がラッピングされた特別車両「虹たび号」として運行されました。

2019年2月16日からは、「あかね号」色に塗り替えられ、運行を開始。同年5月7日からは、前日に引退した700系に代わり、2代目「あかね号」として活躍しています。

脚注

注釈

特になし

出典

特になし

関連項目

他社の西武新101系の譲渡車

流鉄5000形電車
秩父鉄道6000系電車
上信電鉄500形電車
伊豆箱根鉄道1300系電車
三岐鉄道751系電車
近江鉄道100形電車 (2代)

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