近畿三十六不動尊霊場

近畿三十六不動尊霊場とは

近畿三十六不動尊霊場は、大阪府、兵庫県、京都府、和歌山県、滋賀県、奈良県に位置する36箇所の不動尊（不動明王）を祀る霊場です。この霊場は、特定の宗派に偏ることなく、一般の人々の意見を広く取り入れて選定されました。1979年（昭和54年）に古寺顕彰会が中心となり設立され、日本で最初の不動尊霊場として知られています。

霊場の数は、不動明王の眷属である三十六童子に由来しています。また、人間の持つとされる三十六の煩悩を象徴しており、これらの寺院を巡礼することによって、煩悩を消除するという意味も込められています。この霊場は、河内長野市助役を務めた下休場由晴氏が手がけた新設巡礼地の一つでもあります。

霊場一覧について

霊場には、いくつかの種類があります。

○印の寺院: 札所本尊と納経所が有料拝観区域内にある寺院です。
●印の寺院: 札所本尊は有料拝観区域に安置されていますが、納経所は無料拝観区域にあり、堂外からの参拝は無料で可能です。
△印の寺院: 境内には有料拝観区域がありますが、札所本尊と納経所は無料拝観区域にあります。


また、いくつかの寺院については以下の特記事項があります。

注1: 仁和寺の水掛不動尊は通常は無料拝観区域にありますが、4月の御室桜の時期のみ有料拝観区域となります。
注2: 青蓮院の札所本尊である「青不動」は、以前は本堂の裏堂に安置されていましたが、現在は将軍塚山頂にある「青龍殿」に安置されています。ただし、通常公開されているのは模写です。納経はどちらの場所でも可能です。
注3: 23番札所は、本来は上醍醐ですが、霊場会では下醍醐の不動堂に五大堂の五大力尊が勧請されているため、その参拝で札所を打ったとみなしていました。2014年からは上醍醐の五大尊が下醍醐の霊宝館平成館に移されたため、現在は納経は下醍醐の観音堂でのみ行われています。

2009年（平成21年）4月1日には、16番霊場が京都市左京区岩倉の実相院から左京区大原の三千院へ、21番霊場が京都市東山区の東福寺塔頭の同聚院から兵庫県宝塚市の中山寺へと変更されました。

先達について

近畿三十六不動尊霊場には、巡礼者を導くための先達制度があります。先達には以下の種類があります。

新補先達: おおむね10人以上を引率し、5回以上巡拝した方が対象です。礼禄は5万円です。
大先達: おおむね10人以上を引率し、10回以上巡拝した方が対象です。礼禄は10万円です。
特任大先達: 人格・見識において卓越した方が対象で、礼禄と年会費が免除されます。

先達になるためには、推薦寺院の署名捺印をもらった推薦書を霊場会に提出し、役員会の審査を経て内定した後、7月に行われる1泊2日の研修会と親睦会に参加する必要があります。年会費は3000円で、2年以上未納の場合、除名となります。2017年度には新補2名、大先達昇補3名、2018年度には新補4名、大先達昇補1名が任命されました。

参考文献

『近畿三十六不動尊巡礼（法話と札所案内）』霊場会監修（朱鷺書房 編集部、1986年）
『全国霊場巡拝事典』（大法輪閣編集部、1997年）

外部リンク

近畿36不動尊霊場会 公式サイト
* 近畿三十六不動尊霊場 (kinki36fudo) - Facebook

近畿三十六不動尊霊場は、歴史と信仰が深く結びついた巡礼地です。各寺院を訪れることで、心の安らぎと新たな発見が得られるでしょう。

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