近藤成一

近藤成一（こんどう しげかず）氏は、1955年生まれの日本の歴史学者です。東京大学名誉教授であり、現在は放送大学教授として教鞭を執っています。専門は日本中世史です。

略歴

東京都で生まれ、1980年に東京大学文学部国史学科を卒業。1982年には同大学院人文科学研究科修士課程を修了しました。その後、東京大学史料編纂所にて助手、助教授を経て、2000年に教授に就任。2016年に東京大学名誉教授となり、同年より放送大学教授を務めています。2018年から2022年3月まで放送大学附属図書館長も兼任していました。

2016年には、「鎌倉時代政治構造の研究」で東京大学より文学博士の学位を取得しています。

研究内容と著書

近藤氏の研究は、鎌倉時代を中心とした日本中世史の政治構造や社会に関するものが中心です。緻密な史料読解に基づいた実証的な研究が特徴で、鎌倉幕府と朝廷の関係、執権政治、モンゴル襲来など、中世史の重要なテーマについて数多くの業績を発表しています。

主な著書としては、博士論文をまとめた『鎌倉時代政治構造の研究』（校倉書房、2016年）、鎌倉幕府と朝廷の関係を概説した『シリーズ日本中世史2 鎌倉幕府と朝廷』（岩波新書、2016年）、北条義時の生涯を描いた『執権 北条義時 危機を乗り越え武家政治の礎を築く』（知的生きかた文庫、2021年）などがあります。これらの著作は、専門家だけでなく一般読者にも中世史への関心を深めるきっかけとなっています。

また、共編著も多数あり、『日本の時代史 モンゴルの襲来』（吉川弘文館、2003年）、『中世日本と西欧 多極と分権の時代』（吉川弘文館、2009年）、『朝河貫一と日欧中世史研究』（吉川弘文館、2017年）、『日本の古代中世』(放送大学教育振興会、2017年)、『朝河貫一と人文学の形成』（吉川弘文館、2019年）、『日本史史料を読む (放送大学大学院教材)』（放送大学教育振興会、2021年）、『古代中世の日本』（放送大学教育振興会、2023年）など、幅広いテーマで中世史研究の深化に貢献しています。

近藤成一氏は、日本中世史研究における第一人者として、学会や教育の現場で多大な貢献を続けています。その研究成果は、今後の日本史研究においても重要な礎となるでしょう。

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