近藤次繁

近藤次繁 - 日本外科医学の先駆者

近藤次繁（こんどう つぎしげ、1866年1月17日 - 1944年3月4日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の外科医であり、医学者です。彼は東京帝国大学医学部の教授でもあり、病院長を務めたことでも知られています。特に、日本で初めて胃がんの手術を成功させた外科医として、医療界において重要な役割を果たしました。

経歴

青年期の出発

近藤は信濃国の松本藩士である鶴見次喬の次男として誕生しました。彼の出生地は現在の長野県松本市に所在する松本城下の下新町です。1887年、近藤は東京帝国大学医科大学を卒業し、外科分野において名高いユリウス・スクリバ教授の指導を受けました。同年、近藤坦平医師の娘であるおきてと結婚し、近藤家に婿養子として入ることになります。

ヨーロッパ留学と専門的な研究

近藤は養父の支援を受けて、ヨーロッパに留学しました。ドイツのストラスブルク大学やハイデルベルク大学、ベルリン大学、オーストリアのウィーン大学で学び、フランスの病院施設も視察しました。1896年に帰国後、スクリバ教授の外科学教室に入局し、助教授、教授へと昇進していきました。彼の功績は、1899年に医学博士の学位を取得したことに現れています。

学会活動と影響

1897年、近藤は日本外科学会の設立に関与しました。この会は、日本における外科医療の進展を図ることを目的としており、近藤が幹事に選ばれたことで、彼はこの領域の発展に寄与する重要な役割を担っていきます。1902年からは「集談会」を月に一度開催し、外科医たちが自由に研究や議論を行う場を整えました。

病院長としての活動

近藤は1921年に東京帝国大学医学部附属病院の病院長に任命され、その後、東京市神田に駿河台病院を設立しました。松本市営病院でも名誉医院長としての役職を得るなど、彼の医療への貢献は非常に広範囲にわたります。また、東京市会議員にも選ばれ、市政への関与も果たしました。

死去とその後の影響

近藤次繁は1944年に79歳で亡くなりました。彼の死後、多くの関係者が集まって追悼会を実施し、その功績を称えました。また、彼の家族も医療、文学、芸術の分野でそれぞれ活動し、次の世代にも影響を与えています。

栄典と実績

近藤はその功績から、正四位、従三位といった栄典を受けており、彼の業績は日本の外科医療史において高く評価されています。彼の研究や職業倫理によって、多くの外科医が彼を手本にし続けており、近藤次繁の名は今でも外科医学の分野で語り継がれています。

まとめ

近藤次繁の足跡は、日本外科医学の発展に多大な貢献を果たしました。彼の業績は後世の医療の進展に影響を与え続け、外科医療の重要な基盤となっています。

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