近鉄東海ストア

近鉄東海ストア：近鉄グループのスーパーマーケットの歴史

近鉄東海ストアは、かつて存在した近畿日本鉄道関連のスーパーマーケットです。1965年4月28日に設立され、近商ストアの三重県内4店舗を継承して事業を開始しました。近鉄グループに属し、本社・本店は愛知県名古屋市中村区にありました。

事業展開と業態の多様性

創業後、近鉄東海ストアは店舗の改装や新規出店を積極的に行い、事業拡大を目指しました。しかし、経営は苦戦を強いられ、約3億円の累積損失を計上しました。その背景には、店舗間の業態の不統一がありました。津、鈴鹿、阿倉川などの店舗は一般的なスーパーマーケットとして運営されていましたが、名古屋店は百貨店に近い形態で、四日市店は隣接する四日市近鉄百貨店の食品売場機能を担うなど、業態が混在していたのです。

合併とその後

この状況を改善するため、1988年3月、近鉄東海ストアは株式会社四日市近鉄百貨店と合併しました。名古屋店と四日市店は中部近鉄百貨店（旧）に引き継がれ、それ以外の店舗は近商ストアの子会社である東海近鉄ストアに継承されました。

しかし、近鉄グループ全体の事業再編や競争激化などの影響を受け、東海近鉄ストアもその後、愛知・三重県から撤退することとなりました。2022年現在、近鉄東海ストアの店舗はすべて閉店しています。

中部近鉄百貨店に引き継がれた店舗

名古屋店

名古屋市中村区名駅に位置する名古屋店は、1967年11月23日に開店しました。当初は百貨店業態でしたが、狭小な売場面積を解消するため、近畿日本鉄道名古屋支社跡地への増床を行い、若年層をターゲットにした「ヤングメッセ近鉄」へと業態転換しました。その後、さらにジェイアール名古屋タカシマヤの開業を前に、専門店形式の「近鉄パッセ」へと進化し、2009年からは近鉄百貨店名古屋店として営業を続けました。

四日市店

三重県四日市市安島に位置する四日市店は、1956年9月23日に開店しました。近鉄名古屋線の経路短絡工事に伴い、新しい四日市駅ビルに出店しました。当初は食品売り場、衣料品、日用雑貨などを扱う対面販売型の店舗でしたが、四日市近鉄百貨店開店後はスーパー形式で食料品売場を担う役割を果たしました。現在も近鉄百貨店四日市店の食品売場の一部としてその名残が見られます。

東海近鉄ストアに引き継がれた店舗

東海近鉄ストアに引き継がれた店舗は、塩浜店、阿倉川店、ララ店（津駅店）、津新町店（津店）、鈴鹿店などです。これらの店舗は、近鉄東海ストアの一般的なスーパーマーケット業態を継承していましたが、その後、順次閉店しています。

その他の店舗

この他にも、烏森店（名古屋市）、初代津店（津市）、松阪店などが存在していました。これらの店舗も、1988年以前には閉店しています。

関係会社

近鉄東海ストアは、近畿日本鉄道、近鉄百貨店、三交百貨店など、近鉄グループの企業と密接な関係を持っていました。


近鉄東海ストアの歴史は、近鉄グループの事業展開や時代の変化を反映したものです。その盛衰は、日本のスーパーマーケット業界の変遷の一端を示していると言えるでしょう。

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