近鉄7020系電車

近鉄7020系電車について

近鉄7020系電車は、近畿日本鉄道（近鉄）が保有するけいはんな線用の通勤形電車です。電算記号は7000系と同じくHL（20番台）で、2006年3月27日のけいはんな線生駒駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間の開業に伴い、輸送力増強のために導入されました。

概要

2004年から2005年にかけて6両編成4本（24両）が新製され、2004年12月1日に営業運転を開始しました。既存の7000系をベースにしていますが、同時期に製造されていた「シリーズ21」に準拠したバリアフリー設備の設置や細部の設計変更が施されています。しかし、近鉄では本形式を「シリーズ21」の一形式としては扱っていません。7000系とは異なり、車両に対する愛称は命名されていません。

編成は、コスモスクエア・長田寄りからク7120(Tc)-モ7220(M)-サ7320(T)-モ7420(M)-モ7520(M)-ク7620(Tc)の6両編成を組成しています。2019年4月現在、4編成24両が東花園検車区東生駒車庫に配置されています。

車両概説

車体

7000系をベースとしていますが、外観にはいくつかの差異が見られます。側窓は一段下降窓から左右一体の上下2分割式窓に変更され、上段は内側に開く構造です。また、行先表示器がLED式となり、側面にも設置されました。正面窓のワイパー形式、側面帯内の社名ロゴ、車両番号のフォントも異なっています。さらに、片持ち式の座席や妻面窓の大きさも7000系とは異なる点です。後に7000系も本形式と同様の更新工事が行われましたが、妻面窓は更新時に変更されなかったため、7000系更新車と7020系を区別するポイントとなっています。

車内

車内は、同時期に製造されていた9020系・9820系など他のシリーズ21車両をベースとしています。ただし、床材は乗降口部分のノンスリップ加工が省略された代わりに耐摩擦加工が施され、黄色の砂模様を散りばめることで視認性を向上させています。座席の基本構造やモケットの材質は9020系などと同一ですが、「らくらくコーナー」は設置されていません。これらの仕様は、床材のデザインは7000系と2006年以降の車体更新車両に、座席モケットのデザインは7000系や5200系を除いた車体更新車両に継承されました。ドア上部にはLED式車内案内表示器とドアチャイムが設置されており、車内案内表示器は千鳥配置で、1両あたり4基が設置されています。ドアチャイムは、Osaka Metro仕様のものが採用されています。

主要機器

本系列では、IGBT素子によるVVVFインバータ装置を採用しており、4編成全車が三菱電機製の制御装置に統一されています。電動機出力は145kWとされ、高速運転性能を確保しています。

ラッピング車両

過去には、7121F編成がけいはんな線PR列車として運行されていました（2008年6月下旬運転終了）。

まとめ

近鉄7020系電車は、けいはんな線の輸送力増強に貢献し、快適な移動空間を提供しています。外観や内装には、7000系をベースにしながらも、独自の改良が加えられており、近鉄の技術力が垣間見える車両です。

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