通関業者

通関業者とは

通関業者とは、財務大臣の許可を受けて、他者の依頼による通関業務を代行する事業者を指します。通関業法に基づき、輸出入申告、関税・消費税の申告納付、不服申し立てなど、多岐にわたる手続きを代行します。通関業を営むためには、法人のみならず個人でも許可を得ることが可能です。

通関業務の内容

通関業者が行う主な業務は以下の通りです。

輸出入申告の代理: 税関に対して、貨物の輸出入に必要な申告手続きを代行します。
関税・消費税の申告納付: 輸入貨物にかかる関税や消費税の申告、納付手続きを代行します。
不服申し立ての代理: 税関の処分に対して不服がある場合、税関や財務大臣に対して主張や陳述を代行します。
関税還付請求: 過払いとなった関税の還付請求手続きを代行します。

通関業の許可制度

通関業は、他人の名義で通関業務を代行する性質上、財務大臣の許可が必要な許可制となっています。許可は各税関長に委任されており、実際の監督は各税関の業務部が行います。許可を受けるためには、以下の基準を満たす必要があります。

経営基盤の安定性: 通関業を継続的に運営できるだけの経営基盤があること。
業務遂行能力と社会的信用: 通関業務を適切に遂行できる能力と、社会的な信用があること。
通関士の設置: 営業所ごとに通関士が設置されていること。

通関業の許可は全国で有効であり、以前のように税関の管轄区域ごとに許可を得る必要はなくなりました。ただし、許可には期間や取扱貨物の制限が付される場合があります。

許可の期間制限: 新規参入や経営基盤が不安定な場合、過去に法令違反があった場合に期間制限が付されることがあります。
取扱貨物の制限: 申請者の希望により、特定の貨物のみを取り扱う制限を設けることができます。この場合、通関士の設置は不要となります。

通関業者と輸入代行業者の違い

通関業者と輸入代行業者は異なります。輸入代行業者は、自らの名義で商品を買い付け、輸入して依頼者に転売するのに対し、通関業者は輸出者または輸入者の名義で通関業務を代行します。通関業者は、送り状に記載された荷主や荷受人の名前で手続きを行います。

認定通関業者制度

貨物のセキュリティ管理と法令遵守体制が整備された通関業者を認定する制度です。認定された通関業者は、輸入貨物の引取り後に納税申告を行ったり、保税地域外にある貨物について輸出申告を行ったりすることが可能になります。これにより、貨物の迅速な引取りやリードタイムの短縮、コスト削減が実現します。

輸入の場合のメリット: 貨物の引取り後の納税申告が可能になり、輸入貨物の迅速な引取りが実現します。
輸出の場合のメリット: 保税地域外からの輸出申告が可能になり、リードタイムとコストの削減が期待できます。

弁護士・弁理士による通関業務

弁護士や弁理士がそれぞれの法律に基づいて行う業務については、通関業の許可は不要です。例えば、弁護士が通関に関する不服申し立てを代行したり、弁理士が輸出入差止め申立てに関わる手続きを行ったりする場合には、通関業の許可は必要ありません。

まとめ

通関業者は、貿易において不可欠な存在です。通関業務を専門的に行うことで、貿易取引を円滑に進め、国際物流を支えています。この記事を通して、通関業者の役割や業務内容について理解を深めていただければ幸いです。

参考情報

財務[省]]: [行政手続の案内・教示、様式のオンライン提供
[税関]]ホームページ: [税関 Japan Customs
日本[通関]]業連合会: [一般社団法人 日本通関業連合会
* 横浜[通関]]業会: [横浜通関業会

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