速達郵便

速達郵便とは

速達郵便は、通常の郵便物に比べて、より迅速に配達される郵便サービスです。このサービスは、特別な追加料金を支払うことで利用でき、急ぎの書類や物品を送る際に便利です。日本国内では「速達」という略称で親しまれています。

制度

速達郵便は、追加料金を支払うことで、通常よりも早く郵便物を配達するサービスです。国際郵便では、英語でExpressまたはPriority Mail、フランス語でExprèsまたはPRIORITAIREと表示されます。万国郵便連合（UPU）の枠組みでは、国際スピード郵便（EMS）が同様の役割を果たしています。日本国内では、速達は「任意の特殊取扱」とされ、通常の郵便物に優先して配達されます。

歴史

日本の速達郵便制度は、1911年に東京市内と横浜市内で開始されました。その後、大阪や神戸にも拡大し、1937年には全国で利用可能になりました。第二次世界大戦前には、自宅から旅先への回送や、配達員を待たせて返信する速達サービスも存在しましたが、1940年に廃止されました。

普通郵便との比較

普通郵便は1日に1回の配達が基本ですが、速達郵便は1日に3〜4回配達されます。また、普通郵便が休配となる土日祝日にも配達されます（ただし、会社や学校宛の場合は翌平日になる場合があります）。速達郵便は、配達局への到着時間によっては当日配達され、普通郵便よりも迅速な配達が期待できます。近距離では、速達と普通郵便の配達速度が同じになることもありますが、速達は遅延のリスクが低く、より確実に配達される点が特徴です。近年では、宅配便に対抗するため、速達に付加価値をつけたサービス（レターパックなど）も登場しています。

料金

速達を利用するには、基本料金に加えて速達料金が必要です。2024年10月1日現在、250gまでの郵便物では300円の速達料金がかかります。例えば、50g以下の定形郵便物を速達で送る場合、基本料金110円に速達料金300円を足した410円が必要です。速達料金は、郵便法改正に伴い、2024年10月1日に改定されました。

差出方法

速達郵便として差し出す場合は、郵便物の表面右上部に朱色の横線（横に長い郵便物は右側部に朱色の縦線）を明瞭に記す必要があります。郵便窓口、ゆうゆう窓口、または郵便ポストで差し出すことができます。切手は速達料金を含めた金額分を貼付します。速達専用ポストもありますが、設置場所は限られています。

貼付する郵便切手

速達郵便には、配達および速達料金相当の切手を貼付します。速達専用の切手は発行されていませんが、300円切手が販売されています。複数の切手を組み合わせて使用することも可能です。過去には、沖縄で速達専用切手が発行された例もあります。

当日発送締切

郵便窓口での当日発送締切時刻は、郵便局によって異なります（一般的に小さい局は16時、大きい局は17時または18時）。郵便ポストの場合は、表示されている最終集荷時刻が締切となります。締切時刻を過ぎた場合は、翌日の取り扱いになります。

配達方法

速達の配達は基本的に手渡しですが、不在の場合は郵便受けに投函されます。書留ではない限り、受領印は不要です。

速達関連サービス

レターパックプラス

速達並みの配達日数で、本州から東京宛てには翌日に配達されることがあります。ただし、受領印が必要なため、不在の場合は配達が遅れる可能性があります。

ゆうパケット

主にトラックや船で輸送され、遠距離でなければ1～2日で配達されます。信書の送付はできません。大口利用向けのサービスであり、個人利用は少ないです。

新特急郵便

札幌市・東京23区・名古屋市・大阪市・福岡市内で、当日17時頃までに配達するサービスです。バイク便や宅配便の当日配達を意識したサービスで、事前契約が必要ですが、一部地域では一見客も利用可能です。

配達時間帯指定郵便

配達時間帯を午前、午後、夜間から指定できます。速達よりも厳格な時間指定が可能で、午前配達の義務があります。

以前はゆうパックにも速達を付けることができましたが、現在は廃止されています。

その他

配達不能の場合

速達扱いで差し出した郵便物が配達不能で返送される場合も、速達扱いとなります。

交通困難地域への扱い

山小屋のような交通困難地域には、速達で差し出すことはできません。差し出された場合は速達料金が返還されます。

書留との関係

速達と書留を併用した場合、配達先郵便局に到着後直ちに配達されますが、受取人が不在の場合は不在通知が入り、再配達が必要となります。

アメリカでの速達郵便

アメリカ合衆国では、Express MailとPriority Mailが速達郵便に相当します。国際郵便では、Express Mail International（EMS）とPriority Mail Internationalがあります。前者がより高速で、料金も高額です。

郵便制度以外の速達便

UPSやDHL、FedExなどの宅配業者も、速達サービスを提供しています。

日本国内の宅配便の速達サービス

ヤマト運輸や日本通運も、速達サービスを提供しています。ただし、これらのサービスでは信書を送ることはできません。

これらの情報を参考に、速達郵便を有効活用してください。

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