速鳥 (駆逐艦)

速鳥（はやとり）は、大日本帝国海軍が建造した春雨型駆逐艦の3番艦です。

艦歴

速鳥は、1903年8月24日に横須賀造船廠で竣工し、軍艦に編入され、駆逐艦として類別されました。日露戦争勃発後の1904年9月3日、旅順港口封鎖作戦に参加するため出撃しましたが、小平島南方2海里の海域において触雷、沈没しました。この事故により、20名が死亡または行方不明となり、54名が救助されています。ロシア側は、沈没原因について、自軍の駆逐艦「スコールヌイ」が敷設した機雷に触れた可能性を指摘しています。

帝国海軍は、1905年6月1日に速鳥の喪失を公表し、同年6月15日に除籍しました。就役からわずか1年という短い艦歴でした。

艦長

速鳥の艦長は以下の通りです。

竹内次郎 少佐：1903年7月21日 - 1904年10月15日

春雨型駆逐艦について

春雨型駆逐艦は、日本海軍が初期に建造した駆逐艦のクラスです。イギリスのソーニクロフト社で建造された雷型駆逐艦を参考に、国産化を目指して建造されました。速鳥は、その中でも3番艦にあたり、日本の駆逐艦建造技術の黎明期を支えた艦と言えるでしょう。

まとめ

速鳥は、日露戦争という激動の時代に、短いながらも日本の海軍力強化に貢献した駆逐艦でした。触雷という悲劇的な最期を迎えましたが、その存在は日本の海軍史に深く刻まれています。

参考文献

『写真日本海軍全艦艇史 Fukui Shizuo Collection』資料編、KKベストセラーズ、1994年。
海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第10巻、第一法規出版、1995年。
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』普及版、光人社、2003年。
『世界の艦船増刊第107集 日本駆逐艦史』、海人社、2012年12月。
真鍋重忠『日露旅順海戦史』吉川弘文館、1985年、ISBN 4-642-07251-9

関連項目

* 大日本帝国海軍艦艇一覧

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