海里

海里（かいり、浬）

海里は、地球上の位置を表現するために用いられる長さの単位で、特に航海や航空の分野で重要な役割を果たしています。国際的に正確に1852メートルと定められており、もともとの由来は地球の緯度1分に相当する距離にあります。そのため、海面上の距離を計測する際に特に便利です。

海里の法的地位

日本の計量法では、海里は「特殊の計量単位」として認められており、特に「海面または空中における長さの計量」の目的に限定されています。国際単位系(SI)においては正式に認められておらず、1998年までに「航海及び航空における距離を表す特別な単位」として一時期使用が認可されていましたが、2019年には完全に認められなくなりました。

国際海里

現在、国際的な文書で使われているのが国際海里（international nautical mile）で、1929年にモナコで開かれた臨時国際水路会議で定義されました。アメリカは1954年、イギリスは1970年にこの定義を採用しています。海里の一部であるケーブル（鏈）は1海里の10分の1にあたります。

また、速度の単位としても「ノット」が使用され、これは時速1852メートル、つまり約0.514444メートル毎秒に相当します。航空会社のマイレージサービスで使われる「マイル」は国際マイルに基づくものであり、海里とは異なります。

イギリスの海里

イギリスでは1970年に国際海里を採用したものの、依然として「nautical mile (UK)」が法的に認められています。これは1853メートルで、国際海里よりも1メートル長いものです。また、イギリスのノットは独自の基準（6080フィート=1853.184メートル）を使って定義されています。

海里の記号

海里の単位記号は国際的に一貫性がなく、M、NM、Nm、nmiなどが使用されています。日本の計量法では「Mまたはnm」と定めていますが、JIS規格では明確な記号を示していません。航空分野ではnmが一般的に使われている一方、アメリカでは「nmi」として整理されています。

由来と歴史

「海里」という言葉は、「海上で使われる里」を意味しており、浬という漢字が作られました。しかし、当用漢字には含まれておらず、一時的にカタカナの「カイリ」が使われたこともあります。現在では「海里」と表現され、計量法でも「浬」は認められていません。

海里の定義は、元々は地球上の緯度の1分角に基づいたものでしたが、各国の測量基準や楕円体により定義が異なり、様々な歴史的な定義が存在します。

まとめ

海里は航海や航空において重要な意味を持つ計量単位であり、その歴史や背景は数多くの国際的な合意に基づいています。航行時の距離や速度の測定において、海里の正確な理解は不可欠です。海里の使い方やその制度について知ることで、より正確な航行が可能になるでしょう。

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