逢いたくて北国へ

「逢いたくて北国へ」：北国の情景と秘められた想いを紡ぐ小柳ルミ子の名曲

1976年、日本の歌謡界に新たな感動を呼び覚ます一曲が誕生しました。小柳ルミ子さんの20枚目のシングル、「逢いたくて北国へ」です。ワーナー・パイオニアから9月25日に発売されたこの曲は、小柳さんの代表作として、現在も多くのファンに愛され続けています。

この曲は、作詞を橋本淳氏、作曲を井上忠夫氏、そして編曲を森岡賢一郎氏が担当。透き通るような小柳さんの歌声と、切なくも美しいメロディー、そして叙情的な歌詞が三位一体となり、聴く者の心を深く揺さぶります。北国の広大な自然を思わせるスケールの大きな楽曲でありながら、個人的な感情を繊細に表現した、まさに珠玉の名曲と言えるでしょう。

「逢いたくて北国へ」は、小柳ルミ子さんの1976年の大晦日に放送された第27回NHK紅白歌合戦への出場曲にも選ばれました。当時、この曲は社会現象ともいえるほどのブームを巻き起こし、小柳ルミ子さんの名を一躍全国区へと押し上げました。その人気は、世代を超えて現在も語り継がれ、日本の音楽史に燦然と輝く一曲として記憶されています。

興味深いのは、作詞を手掛けた橋本淳氏のエピソードです。ある共演の場で、橋本氏は小柳ルミ子氏から楽曲への想いを問われた際、「何もない」と答えたそうです。この言葉の裏には、どのような思いが潜んでいるのでしょうか。想像力を掻き立てられる、謎めいた一言と言えるでしょう。この発言があった状況は、再会を喜び感涙する小柳ルミ子氏を前にした、何とも印象的なシーンであったと伝えられています。作詞家の橋本淳氏の言葉の裏側には、自身の経験や、楽曲に込めた普遍的な人間の感情が複雑に絡み合っているのかもしれません。

カップリング曲には「母と」が収録されています。こちらは、作詞を同じく橋本淳氏、作曲を井上忠夫氏、編曲を阿野太志雄氏が担当しました。「逢いたくて北国へ」とは異なる、母への愛情を深く歌い上げた一曲です。この曲もまた、小柳ルミ子さんの表現力の高さを示す、見事な楽曲と言えるでしょう。

現在でも、「逢いたくて北国へ」は、様々な形で親しまれています。CD-BOXやGOLDEN☆BESTといったベストアルバムへの収録はもちろんのこと、カラオケでも人気曲として歌い継がれ、世代を超えた多くの人々に愛されています。

この曲を聴けば、聴く人の心に、故郷への郷愁や、大切な人への想いが呼び起こされるかもしれません。「逢いたくて北国へ」は、単なる一曲を超えた、普遍的な感情を呼び起こす力を持つ、まさに時代を超越した名曲なのです。楽曲の歌詞は「歌ネット」などで確認できますので、ぜひ歌詞にも注目しながら、この名曲をじっくりと味わってみてください。

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