連帯・保健省

フランス連帯・保健省について

フランスの連帯・保健省（Ministère des Solidarités et de la Santé）は、国民の健康問題と政府の社会政策の実施を担う、非常に重要な省庁です。この記事では、その歴史的背景、任務、組織構造、そして歴代大臣について詳しく解説します。

歴史

連帯・保健省の起源は、1920年に設置された衛生・援護・社会保険省（Ministère de l'Hygiène, de l'Assistance et de la Prévoyance sociale）に遡ります。これは、内務省の援護・公衆衛生局と労働省の社会保険局を統合して設立されました。

1930年には公衆衛生省（Ministère de la Santé publique）が設置され、1934年から1936年までは公衆衛生・体育省（Ministère de la Santé publique et de l'Éducation physique）と改称されました。第二次世界大戦中には、その管轄事務は家族省に移管されるか、あるいは消滅しました。

戦後の1946年、公衆衛生省は人口省と統合され、公衆衛生・人口省（Ministère de la Santé publique et de la Population）となりました。1956年には、労働省が管轄していた社会保障に関する権限が同省に移管され、社会問題省（Ministère des Affaires sociales）と改称されました。

第五共和政下では、公衆衛生に関する職務を所管する省庁は頻繁に変更され、「健康（Santé）」の語が省の名称に用いられないこともありました。代わりに、「社会問題（Affaires sociales）」や「連帯（Solidarité）」といった言葉が用いられることもありました。

2017年までは社会問題・保健省（Le ministère des Affaires sociales et de la Santé）と称していましたが、2017年6月21日の第2次エドゥアール・フィリップ内閣発足時に、連帯・保健省に改称されました。

任務

厚生大臣は、社会問題、連帯および社会的団結、公衆衛生ならびに医療制度の整備に関する政府の政策の立案および実施を任務としています。これは、国民の生活の質を向上させ、社会全体の福祉を促進するために不可欠な役割です。

組織

連帯・保健省の組織は以下の通りです。

厚生大臣の単独管轄
保健総局（Direction générale de la santé）
医療総局（Direction générale de l'offre de soins）
社会問題総監察官（Inspection générale des affaires sociales）
厚生大臣と経済・財務大臣、女性権利大臣およびスポーツ・青少年・社会教育・市民活動大臣との共同管轄
社会的団結総局（Direction générale de la cohésion sociale）
厚生大臣と経済・財務大臣との共同管轄
社会保障局（Direction de la sécurité sociale）
厚生大臣と経済・財務大臣および労働・雇用・職業教育・労使対話大臣との共同管轄
研究・調査・評価・統計局（Direction de la recherche, des études, de l'évaluation et des statistiques）
厚生大臣と労働・雇用・職業教育・労使対話大臣およびスポーツ・青少年・社会教育・市民活動大臣との共同管轄
社会問題担当省事務総局（Secrétariat général des ministères chargés des affaires sociales）

大臣は中央行政機関に加えて、担当大臣、官房および報道官をその権限の下に置いています。担当大臣もまた同様に官房を有しています。

歴代厚生大臣

第五共和政以降、多くの大臣が連帯・保健省（またはその前身）を率いてきました。具体的な大臣のリストは参考文献をご参照ください。

まとめ

フランスの連帯・保健省は、国民の健康と社会福祉を支えるための重要な機関です。その歴史、任務、組織構造を理解することで、フランスの社会政策に対する理解を深めることができるでしょう。

参考文献
Assemblée nationale. “Les Gouvernements de la Ve République”.

関連項目
フランスの医療

外部リンク
* Ministère des Affaires sociales et de la Santé（フランス語）

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