連帯責任

連帯責任（れんたいせきにん）

連帯責任とは、複数の者が一つの債務に関して共に責任を負うことを指します。例えば、3人のA、B、Cが共同で不法行為を行い、他者に損害を与えた場合、債権者はA、B、Cのいずれかを選んで損害賠償を請求することができます。これにより、債権者は迅速に補償を受けることができ、責任を負う者たちは各自が全体の負担を分担する仕組みが形成されます。

日本法における連帯責任

日本の民法には、連帯責任に関する明確な規定が存在します。特に民法第719条がその重要な根拠となっており、これによれば、共同の不法行為を行った者は、それぞれが連帯して損害を賠償する責任を負うとされています。この法律は、数人による不法行為が行われ、誰が具体的に損害を与えたのかが特定できない場合でも適用されます。

民法第719条の具体的内容

民法第719条第1項においては、次のように定義されています。「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」とあります。このため、債権者は、A、B、Cの誰か一人に全損害賠償を請求することができます。その後、その者は関係者に対して内部で責任を相互に分担する形になります。

この制度により、債権者は複数の債務者から一度に対応を得ることができ、効率的に権利を守ることができるのです。

英米法における連帯責任

一方、英米法における連帯責任（Joint and several liability）も、同様に複数の債務者が連帯で責任を負うことを意味します。ここでは、債権者が債務者全員に対して無制限に責任を追及できる点が特徴的です。英米法においても、債権者はその責任を全体の中からどの債務者に請求しても良い権利があります。

連帯契約の意義

契約上において、複数人が契約を締結し、各自が全額の債務を責任を持つ形態を連帯契約（Joint and several contract）といいます。これは、債務者たちが共同して契約を履行する責任を持つことを示しています。このように、英米法では、連帯責任の考え方は商業取引や契約上でも普及しており、各種の責任区分を考える上で非常に重要な概念となっています。

参考文献

• - 小山貞夫『英米法律語辞典』研究社、2011年
• - 福田守利『アメリカ商事法辞典』ジャパンタイムズ、1995年

関連項目

• - 連座制
• - 責任割合（過失割合）
• - In pari delicto（ラテン語：同程度の不法行為）
• - Pro rata（ラテン語：割合に応じて）

外部リンク

• - 連帯責任 - コトバンク

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