連続活劇

連続活劇とは



連続活劇(serial, cliffhanger)は、1910年代から1920年代にかけて盛んに制作された映画の形式です。このスタイルは、通常10分から20分ほどのアクションを主題にした短編映画群で構成され、毎週1本ずつ公開されるスタイルが特徴的でした。作品全体で約15本の短編から成り、その内容は主にヒーローが悪党と戦い、ヒロインを救出するというものです。このジャンルは、現在の連続テレビドラマの最古の起源とも言われています。

起源と初期の作品



連続活劇の最初の形態は、エジソン映画会社が1912年に制作した『メアリーに何が起こったのか』とされていますが、同時にフランスの『ジゴマ』(1911年)の影響も大きく、アメリカでこの形式が広がっていくことになります。以後、フランスでの『プロテア』(1913年)、『ファントマ』のシリーズ、アメリカでの『キャスリンの冒険』(1913年)や『エレンの冒険』(1914年)など、数多の作品が次々と制作されました。日本でも、1915年には『マスター・キイ』や『名金』が公開され、連続活劇の人気は国を越えて広がりました。

物語の特徴



連続活劇の物語では、悪党は常にヒーローを殺そうとしつつも、ヒーローは勇敢にヒロインを助けに向かう展開が一般的です。例として、ヒーローがヒロインを救出するためのギリギリのタイミングで登場し、彼女が絶体絶命の危機にあるシーンが典型的です。

物語の演出としては、主人公が崖から落ちそうになったり、線路の上で縛られるなど生死を分ける状況が五感を刺激します。特に目立つのは、ピンチで話が終了するクリフハンガー技法で、観客は毎回その続きを見たくなる仕掛けになっています。現代の『インディ・ジョーンズ』シリーズはこの手法を見事に再現しており、連続活劇の影響を強く受けています。

上映形式と人気



連続活劇はシリーズ形式で、通常は全15話で構成されていました。一つの映画館では、1話が一週間上映され、翌週に続編が公開されるスタイルが一般的でした。この構成により、毎回ヒーローとヒロインが困難な状況で物語が終わることで、観客の興味を持続させることができました。特に20世紀前半は子供や若者に大人気で、土曜日の映画館では、アニメ映画ニュース映画に加え、少なくとも1本は連続活劇が上映されるのが恒例となっていました。

これにより、連続活劇はエンターテインメントとして広く親しまれ、映画史に刻まれる重要なジャンルとなったのです。

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