連邦住宅金融抵当公庫

フレディ・マック（連邦住宅抵当公庫）とは

フレディ・マック（Federal Home Loan Mortgage Corporation, FHLMC）は、アメリカ合衆国の金融機関であり、住宅金融において重要な役割を果たしています。一般には「フレディ・マック」の通称で広く知られています。

フレディ・マックは、ファニーメイ（連邦住宅抵当公庫、FNMA）と並び、住宅ローン市場を活性化させるための政府設立の民間企業として設立されました。その主な業務は、金融機関が保有する住宅ローン債権を保証することです。これにより、金融機関は住宅ローンをより積極的に提供できるようになり、住宅市場の拡大を促進する役割を担ってきました。

設立の背景と役割

アメリカでは、世界恐慌の頃から、国民が住宅を所有することを国策として推進してきました。フレディ・マックは、この国策を遂行する上で重要な役割を果たしており、住宅ローン債権の流動性を高め、住宅市場の安定に貢献してきました。しかし、返済能力の低い低所得者向けの住宅ローン債権を多く保証していたことが、後に大きな経営危機を招く要因となります。

経営危機と国有化

2008年、世界的な金融危機の影響を受け、フレディ・マックは深刻な経営危機に陥りました。住宅ローン債権の焦げ付きが急増し、資本が大きく毀損したのです。そのため、政府は2008年9月7日に以下のような再建策を発表しました。

最大1000億ドルの上位優先株（利回り10%）の政府による取得
普通株および優先株の無配転落
保有資産担保証券の政府による買取
新株取得権の政府による取得
債務超過分の米連邦住宅金融庁・米財務省による優先株引受

この再建策により、既存の株主は大きな損失を被ることになりましたが、債権者への利払いは継続されました。その後も、フレディ・マックは債務超過となるたびに財務省から優先株による資本注入を受け、総額1000億ドル近い資本注入を受けていました。

経営の立て直しと現在

多額の公的資金が投入されたフレディ・マックですが、その後の住宅指標の回復や、住宅ローン債権を不正に組成した大手金融機関などからの賠償金により、経営は黒字化に転じました。現在では、連邦政府に配当金を支払うまでに回復しています。フレディ・マックは、国有化という苦境を乗り越え、アメリカの住宅金融システムにおいて、引き続き重要な役割を果たしています。

フレディ・マックという名前について

「フレディ・マック（Freddie Mac）」という名前は、実はアクロニム（頭字語）です。正式名称である「Federal Home Loan Mortgage Corporation」の頭文字を組み合わせたものです。

関連項目

政府援助法人
* ファニーメイ（連邦住宅抵当公庫、FNMA）

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