進歩党 (ブラジル)

進歩党（Partido Progressista, PP）

進歩党はブラジルにおける中道右派政党で、主に保守主義や右派ポピュリズム、自由主義的な立場を取っています。この記事では、進歩党の歴史、主要な政治家、地域における分裂などについて詳述します。

歴史

進歩党の歴史は、軍政時代の与党である国家革新同盟（ARENA）に遡ります。1979年、ARENAは民主社会党（PDS）に改名し、1993年にはキリスト教民主党（PDC）と統合して改革進歩党（PPR）を設立しました。その後、1994年に社会労働党（PST）と改革労働党（PTR）が合併して旧進歩党が誕生し、1995年にはPPRと合併してブラジル進歩党（PPB）となりました。

PPB発足後、ブラジル社会民主党や自由主義戦線と連携を持つようになり、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ大統領を支持しました。2003年には党名を現在の進歩党に変更しました。

近年の選挙では、2022年10月の連邦議員選挙において、連邦議会下院で47議席、上院で7議席を確保するなど、一定の支持を得ています。

代表的な政治家

進歩党には著名な政治家が多くいます。特にアラブ系ブラジル人であるパウロ・サリム・マールーフ氏は、サンパウロ州知事やサンパウロ市長を数期務めたことで知られています。その他にも、元サンタカタリーナ州知事のエスペリディアン・アミンや、元労働大臣のフランシスコ・ドルネレスなどが党員として名を馳せています。

ブラジルでは政治腐敗が問題となっており、進歩党もその影響を受けています。高等選挙裁判所が行った調査によれば、進歩党はブラジルの主要政党の中でも腐敗度が高いとされています。

地域分裂の傾向

近年、進歩党内では「地域分裂」の兆しが見受けられます。特に、マールーフ氏が党の指導的地位を失ったことに対する反発が強く、一部の党員は国粋的な傾向に異議を唱えています。このような背景から、リオグランデ・ド・スル州の支部は度々離脱を示唆するなど、統一性を欠いています。

政党内の国粋的な動きは、労働者党政権との協力に影響しており、税制問題などでは意見の相違が顕著です。これにより、リオグランデ・ド・スル州支部は、より反対勢力との結託を強め、反抗的な姿勢をとることが多くなっています。

進歩党は、様々な挑戦と変化を経ながらも、ブラジルの政治シーンにおいて重要な役割を果たし続けています。

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