進軍 (ゲーム・オブ・スローンズ)

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 第8話「進軍」

あらすじ

このエピソードでは、エダード・スタークの逮捕後の出来事が描かれます。ラニスター家がエダードの娘たちを捕らえようとする中、エダードの息子ロブは北部で軍を組織し始めます。一方、デナーリスはドスラク人が平和な村を襲撃する光景を目にし、その残虐さに心を痛めます。そして、ジョン・スノウは壁で新たな脅威に直面することになります。

〈谷間〉からリヴァーランドへ

ティリオンはブロンと共に父タイウィンの陣に向かう途中、野蛮な〈山の民〉に囲まれてしまいます。ティリオンは彼らに金と武器、そして〈谷間〉を手に入れるための援軍を約束することで、自分に仕えさせます。タイウィンはこれを快く思わないものの、スターク家との戦いに〈山の民〉が加わることを条件に、ティリオンの約束を認めます。〈山の民〉はこれを受け入れますが、保険としてティリオンにも同行を求めます。

〈谷間〉

キャトリンはキングズランディングでの出来事を知らせる手紙を受け取り、妹ライサと対立します。ライサは息子のロビンの安全しか考えておらず、ラニスター家に対抗してスターク家に援軍を送ることを拒否します。キャトリンは怒り、高巣城を去ります。

〈北部〉

ロブは妹サンサからの手紙を受け取りますが、彼女がサーセイに操られていると判断します。ラニスター家との戦争を決意したロブは、旗主たちを集め、シオンを喜ばせます。スターク家の旗主グレートジョンの尊敬を勝ち得たロブは、ブランにウィンターフェルの指揮を任せ、南へ向かい母キャトリンと合流するため軍を率いて出発します。軍議でタイウィンの軍とジェイミーの軍のどちらを攻撃すべきか話し合っている最中に、ラニスター軍の斥候を捕らえます。ロブは斥候を解放し、北部軍が攻め寄せることをタイウィンに知らせることにします。

〈壁〉

ジョン・スノウ、サムウェル、そして仲間たちは、凍った2体の死体を発見し、壁に戻ります。〈冥夜の守人〉総帥のジオーは、その死体がベンジェン・スタークの哨士であることに気づき、死体を調べるよう命じます。サムは、死体が数週間前に死んだにもかかわらず、腐敗していないことを指摘します。モーモントはジョンに南部での出来事を伝え、〈冥夜の守人〉への誓いを守るように諭します。サー・アリザー・ソーンが父エダードの反逆をからかった時、ジョンは我を忘れてナイフでソーンを襲い、仲間たちに抑えられ、モーモントによって自室で謹慎処分となります。

その夜遅く、ジョンのダイアウルフであるゴーストの奇妙な行動に気づいたジョンは、モーモントの部屋を調べます。そこには、死んだはずの哨士が〈亡者〉として蘇っており、ジョンを襲います。剣で切りつけても〈亡者〉は怯まず、モーモントが部屋に入ってきたとき、ジョンはランタンを〈亡者〉に投げつけ、炎でやっとのことで制圧します。翌朝、モーモントと〈冥夜の守人〉は死体を焼却し、サムはジョンに、ホワイト・ウォーカーに触れられた死体は蘇り、炎でしか殺せないと書物に書いてあったことを伝えます。

狭い海の向こう側

七王国を攻めるための軍資金を得ようと、カール・ドロゴの軍は村を襲撃します。その残虐さにデナーリスは心を痛めます。ドスラク人の襲撃部隊が村の女性を集めて強姦し奴隷にしようとするのを目の当たりにし、デナーリスはジョラーと護衛に命じ、女性たちを自分のものとして保護します。ドロゴの前で異議を唱えられたものの、デナーリスはカレーシとしての権利によってこれを退け、女性たちを望む者は奴隷ではなく妻にするべきだと主張します。これに感銘を受けたドロゴは妻を支持し、襲撃者の一人であるマゴがドロゴに決闘を挑みますが、すぐに殺されます。デナーリスはドロゴが負った傷を心配し、ドロゴは渋りながらも生き延びた村の女性ミリ・マズ・ドゥールに治療させます。しかしドスラク人はミリを妖女と呼び、ドロゴが治療されることを快く思いません。

キングズランディング

ジョフリーとサーセイを逮捕しようとしたエダードは失敗し、牢に囚われています。ラニスター家は残りのスターク家を襲います。長女サンサは捕らえられますが、アリアは剣の師シリオ・フォレルがラニスター家の家臣を食い止めている間に逃げ延びます。アリアが自分の剣を探している時、馬番の少年がアリアを捕まえようとしますが、アリアは剣で刺し、城を脱出します。

サーセイは、父の命を救うためには、兄ロブに手紙を書いてキングズランディングに来させ、ジョフリーに忠誠を誓わなければならないとサンサを説得します。ジョフリーとサーセイは謁見し、〈王都の守人〉のジャノス・スリントを賞して貴族とし、タイウィンを〈王の手〉に任命します。ジョフリーはさらに、長年王室に仕えてきたバリスタン・セルミーを、〈王の盾〉の総帥の地位から解任し、ジェイミーを後釜に据えます。セルミーには城と領地が与えられましたが、侮辱と見なし、剣をジョフリーの足元に投げつけて去ります。サンサは父の助命を願い、ジョフリーはエダードが反逆を認め、自身を正当な王として認めることを条件に慈悲をかけると伝えます。

製作

脚本

このエピソードの脚本は、原作『七王国の玉座』の著者であるジョージ・R・R・マーティンが担当しました。マーティンはテレビ脚本家としての経験も豊富ですが、脚本を書くのは10年以上ぶりでした。マーティンによると、登場人物に親しんでいたため、脚本を書くことは容易でしたが、脚本執筆用の新しいソフトウェアに慣れることが最も困難でした。

脚本の第一稿は、プロデューサーのデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスに提出されましたが、長すぎた上に製作コストがかかりすぎました。ロブ・スタークが北部の旗主を集めるシーンでは、旗主が知らせを受け取って出発する8つの城の場面が予定されていましたが、製作は不可能でした。

原作の第42章、第50-53章、第55-58章、そして第60章がカバーされました。ジョンが旗主を呼ぶ決断をするシーン、高巣城でキャトリンとライサが対立するシーン、ラニスター家の斥候が捕らえられるシーンが、ドラマのために付け加えられました。その他、アリアが馬番の少年を刺すのは故意よりも事故に近いこと、リカード・カースターク、ルース・ボルトン、マンダリー家、グローヴァー家などスターク家の旗主の紹介が省略されていること、カール・ドロゴが傷を負うのは血縁の騎士ではなく、デナーリスの影響力を好まない部下との戦いであることなど、原作との相違点があります。

ティリオンがブロンと〈月の山〉を下るシーンは、もともと第7話に予定されていたため、マーティンではなくデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが書いたもので、編集段階で移動されました。

ロケーション

〈赤の王城〉とウィンターフェルの室内シーンは、北アイルランドのスタジオで撮影されました。スターク家とラニスター家の野外陣地、およびキャトリンとロドリックがロブの軍に加わるシーンは、北アイルランドの古城で撮影されました。ドスラク軍が仔羊人の村を蹂躙するシーン、およびアリアが自分の剣〈針〉を取り戻す〈赤の王城〉のシーンは、マルタで撮影されました。

評判

視聴者数

初回放送では270万人が視聴し、シーズン最高記録を達成しました。同夜の再放送を含めると、360万人が視聴しました。

賞

2011年のプライムタイム・エミー賞衣装賞シリーズ部門にノミネートされました。

外部リンク

スター・チャンネル 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
ワーナー・ブラザース DVD&Blu-ray 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
* Official U.S. website HBO

もう一度検索