遅咲きじじい

遅咲きじじい

『遅咲きじじい』は、漫画家・小林よしのりが『ビッグコミック』で2006年から2008年にかけて連載したギャグ漫画作品です。小林よしのり先生にとっては、『おぼっちゃまくん』以来の久しぶりのギャグ漫画連載となりました。

概要

物語は、定年退職を迎えた62歳の老人・遅咲散太郎が主人公。悠々自適な隠居生活を送る彼と、彼を取り巻く個性的なキャラクターたちが織りなす日常を描いています。登場人物はどこか常識外れで、少し変わった性癖を持つ者が多く、その奇妙な人間関係が笑いを誘います。

主要な登場人物

遅咲 散太郎（おそざき ちりたろう）
主人公。62歳。定年退職後、一人暮らしをしながら自由気ままな生活を送っています。特技は射撃で、カラオケでは「歯周病ブルース」を十八番としています。エッセイストの優から積極的にアプローチを受け、関係を持つことになります。

翔太郎（しょうたろう）
散太郎の孫。小学生ながら、優の巨乳に興味を持つなど、ませた一面があります。

三木谷 優（みきたに ゆう）
エッセイスト。散太郎が「モニカ・ベルッチ」と形容するほどの巨乳の持ち主。匂いフェチで、散太郎の加齢臭に魅了され、彼を「チリ様」と呼び慕っています。親から見合いを勧められるも、最終的には散太郎を選びます。

遅咲 千明（おそざき ちあき）
散太郎の亡き妻。幽霊となって時々散太郎の前に現れます。

毛微 光一（けび こういち）
誰が見ても明らかな高価なカツラを愛用しています。妻子持ちでありながら、散歩中に知り合った美雨に一目惚れします。学生時代は俊足の持ち主でした。

白川 美雨（しらかわ みう）
未亡人。犬の散歩中のマナー違反を注意した散太郎に惹かれます。

白川 沙也加（しらかわ さやか）
美雨の娘。最初は光一のカツラを酷評しますが、彼の真面目な人柄に触れ、考えを改めます。

森本 苦郎（もりもと くろう）
散太郎の同期で、退職後、肩書きのない生活に馴染めずにいます。「世帯主 森本苦郎」と書かれた名刺を持ち歩き、銭湯でもネクタイを締めるなど、社会人としての名残を強く残しています。

無価月 忍（むかつき しのぶ）
翔太郎の同級生。いじめられっ子でしたが、散太郎の助言で復讐を試みます。

本間（ほんま）
優の担当編集者。イケメンです。

坂本 明次（さかもと みょうじ）
61歳。「明次しゃんバンド」のリーダーで、散太郎をボーカルに誘います。オリジナルソング『ラブ三千里』を持っています。

藤岡（ふじおか）・丸井（まるい）・本田（ほんだ）
「明次しゃんバンド」のメンバーで、それぞれベース、キーボード、ドラムを担当しています。

清川 虹子（きよかわ にじこ）
歌手・菊川きよしの追っかけをしていましたが、散太郎に付きまとうようになります。実は散太郎に好意を抱いています。アパートの大家で、小林よしのりの母親がモデルとなっています。

神部 幹夫（かんべ みきお）
定年退職した男。覗きを趣味とし、「生活研究」と称してアパートの風呂場を覗いています。

* 早咲 老之介（はやさき おいのすけ）
かつて『灯台一直線』で大ヒットを飛ばした漫画家。しかし、その後は不遇でホームレスとなっていました。『灯台一直線』の愛読者だった散太郎の世話により、再び漫画を描く決意をします。

各話のエピグラム

各話の冒頭には、西洋、インド、日本の哲学者や文学者の「老い」や「老人」に関する格言（エピグラム）が掲載されています。これらの言葉は、作品のテーマをより深く掘り下げる役割を果たしています。

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