遅尚斌

遅 尚斌のプロフィール

遅 尚斌（ち しょうびん）は、1949年9月19日、遼寧省大連市に生まれた中華人民共和国の元サッカー選手及びサッカー指導者である。彼は中華人民共和国代表チームにおいてMFとして活躍し、その後は指導者としても数々の業績をあげた。

選手としてのキャリア

遅는1969年に遼寧足球倶楽部に加入し、1982年まで在籍した。彼は選手としての全キャリアをこのクラブに捧げるワンクラブマンであった。彼の活躍は特に1970年代に顕著で、1974年には代表デビューを果たした。彼はAFCアジアカップにおいて1976年及び1980年の大会に出場したほか、アジア競技大会でも1974年、1978年及び1982年の3回にわたり代表としての役割を果たした。

指導者としてのキャリア

選手引退後の遅は、北京体育大学でスポーツ心理学を学び、その後大阪体育大学へ留学した。帰国後は松下電器産業サッカー部の下部組織でコーチを務めた。1995年には大連万達の監督に就任し、就任初年度には55試合無敗という素晴らしい記録を樹立。その中で1996年には無敗優勝を果たし、その後も1997年には再度優勝を達成した。さらに、この成績により2年連続で年間最優秀監督賞を受賞することとなった。

その後、遅は1998年に四川全興の監督を務め、1999年には廈門の監督として2部リーグで優勝を収めた。また、2000年にはボラ・ミルティノビッチ率いる中国代表のスタッフにも参加し、2003年には河南建業の監督として2部で準優勝を果たし、さらには江蘇蘇寧、深圳健力宝の監督も務めた。

特に深圳健力宝での成績は芳しくなく、選手との間に対立が生じる結果となる。主将の李瑋峰との衝突が報じられる中、短期間で解任に至った。選手たちのプロ意識の欠如と遅の厳しい指導方針が原因であった。

しかし、その後も遅は監督としてのキャリアを続け、2009年7月には大連阿爾浜の初代監督に就任し、初年度で中国乙級リーグで優勝を成し遂げる。以降はアシスタントコーチとしての役割を果たし続け、若手選手の育成にも力を入れていた。

残念ながら、2021年3月6日に心筋梗塞のため71歳で他界した。遅尚斌はその豊富な経験と実績により、中国サッカー界への影響を与え続けた偉大な人物として記憶されている。彼のキャリアの築いてきた足跡は、将来の世代の選手や指導者たちに引き継がれていくことでしょう。

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