運行管理者

運行管理者について

運行管理者とは、自動車運送事業において、事業用[[自動車]]の安全な運行を確保するための責任者です。国土交通大臣が実施する運行管理者試験に合格した者や、一定の実務経験と講習を修了した者の中から、自動車運送事業者が選任します。運行管理者は「運管」と略されることもあります。

運行管理者の役割

運行管理者の主な職務は、道路運送法や貨物自動車運送事業法に基づき、以下の業務を遂行することです。

運転者の乗務割の作成: 運転者の勤務時間や休憩時間などを考慮し、適切な乗務スケジュールを作成します。
休憩・睡眠施設の管理: 運転者が十分に休憩・睡眠を取れるよう、施設の管理を行います。
運転者の指導監督: 運転者に対して、安全運転に関する指導や監督を行います。
点呼の実施: 乗務前後の運転者の疲労や健康状態を把握し、安全運行のための指示を与えます。

これらの業務を通じて、事業用[[自動車]]の安全運行を確保することが運行管理者の重要な役割です。

運行管理者の区分

運行管理者は、取り扱う事業用[[自動車]]の種類によって、以下の区分に分けられます。

旅客

道路運送法に基づき、旅客自動車運送事業を対象とします。

一般旅客: 特定旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業
一般乗合旅客: 路線を定めて定期的に運行するバスなど
一般乗用旅客: タクシーなど、10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する事業
一般貸切旅客: 観光バスなど、一般乗合・乗用以外の旅客運送事業
特定旅客: 特定の顧客のニーズに応じた旅客運送事業

貨物

貨物自動車運送事業法に基づき、貨物自動車運送事業を対象とします。

一般貨物: トラックなど、他人の需要に応じ有償で貨物を運送する事業
特定貨物: 特定の顧客のニーズに応じ有償で貨物を運送する事業
貨物軽: 軽トラックなど、軽自動車を使って貨物を運送する事業

運行管理者の選任

自動車運送事業者は、一定数以上の事業用[[自動車]]を保有する営業所ごとに、一定数以上の運行管理者を選任する必要があります。

貨物自動車運送事業の場合:
29両まで: 1人以上
30両から59両: 2人以上
以降、30両ごとに1人ずつ追加

2013年5月1日以降、5両未満の事業用[[自動車]]を保有する営業所でも、原則として1人以上の運行管理者を選任する必要があります。ただし、霊柩自動車や一般廃棄物収集車、離島の営業所は例外です。

運行管理者の業務内容

運行管理者の業務は、多岐に渡りますが、主なものとして以下の内容があげられます。

乗務の指示: 事業者が選任した運転者以外に運転させないこと。
過労運転の防止: 運転者の勤務時間や休憩時間を適切に管理し、過労運転を防止します。
酒気帯びの防止: 運転者の飲酒状況を確認し、酒気を帯びた状態での乗務を禁止します。
健康状態の把握: 運転者の健康状態を把握し、安全な運転ができないと判断した場合は乗務させません。
過積載の防止: 過積載による運送を防止するため、運転者への指導・監督を行います。
貨物の積載方法: 貨物の積載方法を指導・監督し、偏荷重や荷崩れを防ぎます。
点呼: 乗務前後の運転者に対し、対面または電話で点呼を行い、健康状態や酒気帯びの有無などを確認します。
乗務等の記録: 運転者の乗務記録を適切に記録し、1年間保存します。
運行指示書: 運転者に対して、運行に関する指示を記載した運行指示書を携行させます。

運行管理者試験

運行管理者資格を取得するためには、国土交通大臣が実施する運行管理者試験に合格する必要があります。試験は、旅客と貨物の2種類に分かれており、それぞれ試験範囲が異なります。

受験資格

事業用[[自動車]]の運行管理に関し1年以上の実務経験があること
または、国土交通大臣が認定する講習機関が行う基礎講習を修了すること

試験科目

貨物試験: 貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、実務上の知識・能力
旅客試験: 道路運送法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、実務上の知識・能力

合格基準

総得点が満点の60%以上であること
各出題分野で1問以上正解していること（実務上の知識・能力分野は2問以上）

試験の免除

一定の実務経験と講習受講を満たした場合、運行管理者試験が免除される制度があります。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。

取得しようとする運行管理者資格の種類に応じた事業用[[自動車]]の運行管理に関し5年以上の実務経験があること
その間に、大臣認定講習機関の講習を年1回以上、通算5回以上受講していること

ただし、旅客と一般貸切旅客の資格については、この免除制度は適用されません。

運行管理補助者

運行管理者資格者または基礎講習修了者のうちから、運行管理者の業務を補助する運行管理補助者を選任することができます。補助者は、運行管理者の指導・監督のもとで業務を行い、点呼の一部を単独で行うことができます。ただし、点呼の総回数の3分の1以上は、運行管理者が行う必要があります。

関連項目

安全運転管理者
道路運送法
貨物自動車運送事業法
運行管理者試験センター

外部リンク

自動車運送事業の運行管理者になるには - 国土交通省
* 自動車総合安全情報 運行管理者について - 国土交通省

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