運輸省大臣官房

概要

運輸省大臣官房（うんゆしょうだいじんかんぼう）は、日本の旧中央省庁の一つである運輸省に設置されていた内部部局です。省全体の管理運営、政策の企画・調整、広報など、省の活動を円滑に進めるための枢要な事務を担っていました。

この組織は、2001年1月6日に施行された中央省庁再編に伴い、運輸省が廃止されたことに伴って役割を終えました。その所管していた機能の大部分は、新たに発足した国土交通省の大臣官房へと引き継がれ、現在に至っています。

所管業務

運輸省大臣官房は、運輸省の運営に関わる多岐にわたる業務を担当していました。その主な内容は以下の通りです。

省内の管理・運営に関する業務

省の機密に関わる事項の取り扱い。
大臣の官印や省の印章を適正に管理すること。
公文書類の受け入れ、発送、編集、そして保存に関する事務。
職員の職務上の地位、採用、解雇、休職、懲戒、服務規律などの人事管理全般、並びに職員の教養及び訓練の実施。
職員の衛生、医療、その他の福利厚生に関する事項。
行政運営の実態を調査し、評価を行う行政考査。
法令案の審査を含む、法務に関する業務。
省内の部局の設置や廃止、課の編成に関する企画・調整。
経費及び収入の予算編成、執行、決算、会計処理、並びにこれらの監査。
国が所有する財産や物品の管理。

外部との連携・広報に関する業務

国会との間の連絡調整を円滑に行うこと。
国立国会図書館に関する連携事務。
運輸に関する調査や統計を取りまとめ、活用すること。
省の政策や活動に関する広報活動を実施すること。
諸外国との交渉や連絡調整といった渉外事務の取りまとめ。

特定分野への関与・調整に関する業務

公益法人やその他の団体に対する許可または認可に関する事務。
気象に関する国の施策への関与。
運輸技術の振興、関連部署間での調整、実用化の促進を図ること。
省全体の政策に関する総合的な調整や、具体的な実施計画の策定。
運輸審議会の庶務を担当すること。
賠償に関連する輸送に関する連絡及び統括業務。
運輸に関連し、観光事業の健全な発達、改善、関係者間の調整を図ること。
観光地及び観光施設の実態を調査し、その改善に向けた取り組みを行うこと。
観光資源の国内外への宣伝活動。

その他の業務

上記の他、運輸省の所掌する事務のうち、他の局や外部機関の担当に属さない全ての事務も大臣官房が担当していました。

また、臨時の特別な事務として、所管する事務に関連する指定生産資材等の割当やその監査に関する業務もつかさどっていました。

これらの広範な業務を通じて、大臣官房は運輸省全体の活動を支え、政策の実現に向けた基盤を提供する役割を担っていました。

組織構成

運輸省大臣官房の内部には、その多岐にわたる業務を分担するため、いくつかの課が設置されていました。主要な組織としては、文書課、人事課、会計課、福祉課などがありました。これらの課の他に、特定の専門事項を担当する調査官や、大臣官房全体を統括する責任者である官房長が置かれていました。

国土交通省への移行

2001年の省庁再編により、運輸省は廃止され、その機能は国土交通省へと引き継がれました。運輸省大臣官房が所管していた各種事務や組織は、新設された国土交通省大臣官房に統合され、引き続き国の重要な行政機能を担っています。この移行により、旧運輸省の管理・運営機能や政策調整機能は、国土交通行政の中枢組織として継承されることとなりました。

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