過呼吸

過呼吸とは

過呼吸（かこきゅう、英: hyperpnea）は、通常必要以上の換気を行う現象を指します。この状態は動脈血の酸素濃度が上昇し、二酸化炭素濃度が下降することによって引き起こされます。その結果、1回の換気量が増加し、身体にはさまざまな不快な症状が現れます。初期段階では低酸素症と似たような状態になりますが、進行すると手足や唇の痺れ、呼吸困難、頭のふらつき、激しい耳鳴りや悪寒といった症状が現れることがあります。

発生する状況

過呼吸は、特に陸上競技（長距離走やマラソン）、水泳、サッカー、バスケットボールなどの運動後に発生することが一般的です。また、精神的な要因による「過換気症候群」とは異なり、身体的な活動が関与しています。

過呼吸のメカニズム

過呼吸の過程は、特にダイビングなどの息止めを伴う競技に関連しています。この場合、呼吸が過剰になることによって血液中の二酸化炭素が不足し、血液がアルカリ性に傾きます。そのため、脳の延髄は呼吸を抑えようとしますが、大脳皮質が異常状態とみなし、呼吸をさらに促そうとします。このような反応が続くことで、軽度の手足の痺れや重度の筋肉の硬直が引き起こされ、発作が悪化することがあります。

主な症状

過呼吸症候群によって引き起こされる症状には、以下のようなものがあります：

- 息苦しさ
- 呼吸の速さが増す
- 胸部の圧迫感や痛み
- 動悸
- 目眩
- 手足や手指、唇の痺れ
- 頭がボーとする感覚
- 恐怖感やパニック発作
- 時には失神

これらの症状は直接的に生命を脅かすものではありませんが、心臓発作などのリスクを高めることがあります。さらに、発熱やその他の病気によっても呼吸が乱れ、過呼吸を引き起こすことがあります。

適切な対処法

過呼吸が起きた場合、以前は紙袋を使った方法が一般的でしたが、リスクが伴うため注意が必要です。誤った処置は血中の酸素濃度を不適切に調整し、窒息のリスクを引き起こす可能性があるためです。現在、一般的に推奨されているのは、呼吸の速さと深さを自分で調整する方法です。明確に呼吸を意識し、2〜3分で自然に落ち着くことができます。

介助者がいる場合、患者を安心させながら息を吐くことに集中させることが重要です。「吸う：吐く」の割合を1:2にすることで、呼吸を整えることが推奨されています。具体的には、一呼吸に約10秒かけて徐々に息を吐き、一旦1〜2秒息を止めると良いでしょう。また、胸や背中を優しく押しながら呼吸を促す技術も有効です。

参考文献

- 2012年8月29日放送　NHK総合テレビ「ためしてガッテン」窒息死を招く大誤解!　本当は怖い過呼吸SP

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