道の駅国上

道の駅国上（みちのえき くがみ）

概要

新潟県燕市国上に所在し、新潟県道2号新潟寺泊線を登録路線とする地域振興施設です。越後平野の豊かな自然に囲まれたこの道の駅は、周辺の豊富な観光資源と連携しながら、地域住民や訪れる人々の交流促進、そして観光の拠点としての役割を担っています。特に、2022年の大規模なリニューアル以降は、「自然と遊ぶ、道の駅。」を新たなコンセプトに掲げ、温泉施設、農産物直売所、そして手軽にアウトドア体験を楽しめるエリアなどを組み合わせた複合的な施設として運営されています。

沿革

道の駅国上の歴史は、燕市に合併する前の旧分水町が、農林水産省の補助事業を活用して整備した施設群に端を発します。当初は、「ふれあい交流センター」をはじめ、「燕市温泉保養センター（てまりの湯）」、「国上農村環境改善センター」、「国上健康の森公園」という四つの独立した施設が集まった形態で運用が開始されました。

「ふれあい交流センター」内部では、食堂機能を担う建物と、農産物直売所や売店・休憩所が収容されている建物が別棟として建てられ、それぞれ独立して営業が行われていました。しかし、利用者の回遊性や利便性を高めることを目的とした2017年（平成29年）の大規模な改修工事を経て、これら二つの棟は連絡通路などで接続され、施設全体がより一体的に利用できる構造へと生まれ変わりました。

そして2022年（令和4年）7月には、当駅の運営体制に変化がありました。地元の有力企業グループである「よね蔵グループ」が新たに指定管理者として運営を担うことになり、これを機に施設全体が「自然と遊ぶ、道の駅。」という新たなコンセプトのもと、全面的にリニューアルオープンしました。このリニューアルでは、手軽にアウトドアレジャーを楽しめるデイキャンプエリアや、食材などが用意され手ぶらで利用できるBBQエリアが新設されたほか、飲食物を提供するためのコンテナハウスも登場するなど、施設の魅力が大幅に拡充されました。既存の売店や食堂も、新しいコンセプトに合わせてアウトドアの要素を取り入れるなど、内装や提供内容が一新されています。

さらに、2023年（令和5年）3月には、隣接する三条市に勤務し、ソーシャルメディア上で10万人を超えるフォロワーを持つインフルエンサーの「ひよりん」氏が、当駅のアンバサダーである「SORAIRO KUGAMI 応援団長」に任命されたことも話題となりました。同氏はかつて三条市の観光大使も務めていましたが、その後報じられた勤務先の不適切投稿問題に関連して観光大使を辞任するなどの動きがあったことも伝えられています。

施設

当駅には、多様な利用者のニーズに応えるべく、様々な施設が整備されています。

駐車場: 普通車236台分のスペースが確保されています。
トイレ: 2016年に改修が行われ、清潔で快適に利用できます。
国上食堂: 地元新潟県や燕市産の食材、郷土料理などを提供する食堂施設です。
農産物直売所 313ファーマーズマーケット: 地元農家が丹精込めて育てた新鮮な朝採り野菜や果物、地域の特産品や加工品などが豊富に並びます。
日帰り温泉 てまりの湯: 敷地内に湧出する源泉を利用した日帰り温泉施設です。硫黄泉とナトリウム泉という異なる泉質の浴槽があり、旅の疲れや日頃の疲れを癒やすのに最適な空間です。
長崎温泉 足湯 酒呑童子の湯: 温泉施設の近くに設置された無料の足湯です。気軽に立ち寄って温まり、リフレッシュできます。
健康の森公園: 広々とした敷地を持つ公園で、散策や家族連れでのレクリエーションに利用できます。
デイキャンプエリア: 事前予約制で、日帰りでのキャンプを手軽に楽しめる区画が設けられています。
手ぶらBBQエリア: バーベキューに必要な機材や食材が用意され、予約するだけで手軽にバーベキューを楽しめるエリアです。
ベーカリーバス: 焼き立ての美味しいパンを提供する、ユニークなバスを改装した店舗です。

管理体制

当駅の運営及び管理業務は、地元の企業グループであるよね蔵グループが指定管理者として受託し、行っています。

アクセス

道路: 新潟県道2号新潟寺泊線が当駅の登録路線となっており、主要なアクセスルートです。その他、新潟県道408号佐善国上線も利用可能です。
公共交通機関: 燕市が運行する循環バス「スワロー号」および、弥彦村と燕市を結ぶ広域循環バス「やひこ号」のバス停留所が当駅敷地内に設けられており、公共交通機関でのアクセスも比較的容易です。

周辺環境

道の駅国上は、日本海側の新鮮な魚介類で賑わう寺泊魚の市場通りと、越後一宮として信仰を集める彌彦神社を結ぶ、新潟県内の主要な観光ルート沿いに立地しています。周辺には、江戸時代の僧侶であり歌人としても名高い良寛ゆかりの地として知られる国上山がそびえ、五合庵や国上寺といった史跡が点在します。また、良寛の生涯や業績に関する資料を展示する燕市分水良寛史料館や、日本最長の河川である信濃川の治水事業上重要な役割を果たす大河津分水路、そしてその歴史や技術を学べる信濃川大河津資料館なども近くに位置しており、多様な観光スポットへのアクセス拠点としても便利な場所にあります。

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