道の駅桜峠

石川県鳳珠郡能登町、石川県道57号内浦柳田線沿いに位置する「道の駅 桜峠」は、能登地域の情報発信や交流、休憩機能を持つ施設として機能しています。駅の名称は、近隣にある「桜峠」に由来しており、石川県道57号内浦柳田線が、本道の駅の登録路線として指定されています。

沿革

この道の駅の歴史は、1996年9月13日に始まりました。当時、石川県が整備を進めていた「桜峠ポケットパーク」の一角を利用し、当時の柳田村（現在の能登町）が特産物を販売する施設として「美知の駅桜峠ポケットパーク」を開設したのがそのルーツです。この施設は翌年には国土交通省によって道の駅として正式に登録され、地域拠点としての役割を本格的に担うようになりました。

開設当初の施設は比較的手狭であり、利用者の増加に対応するため、2016年に大規模なリニューアル工事が実施されました。同年3月25日のリニューアルオープンでは、建物の総面積が従前の約2倍に拡張され、施設全体の機能性が向上しました。特に、直売施設内に設けられたイートインスペースの座席数は、これまでの10席から20席へと倍増され、より多くの利用者がゆったりと休憩したり食事を楽しんだりできるようになりました。

しかしながら、2024年1月1日に発生した能登半島地震では、道の駅前面の法面が崩落し、駅に接続する県道57号線の一部が通行不能となるなど、施設および周辺環境が甚大な被害を受けました。この地震は地域のインフラや人々の生活に深刻な影響を与えましたが、道の駅もその例外ではありませんでした。

施設

道の駅 桜峠には、旅行者が快適に利用できるよう様々な施設が整備されています。

駐車場: 普通車29台、大型車3台、身障者用1台の合計33台分の駐車スペースが確保されており、多様な車種に対応しています。
トイレ: 男性用の大2器・小3器、女性用3器、身障者用1器が設置されており、これらのトイレはすべて24時間利用可能です。深夜や早朝の長距離移動時にも安心して利用できます。
直売施設: 能登の豊かな自然が育んだ旬の農産物や海産物、加工品など、地元の特産品を豊富に取り扱っています。施設内には購入した商品をその場で味わえるイートインスペースも併設されています。営業時間は通常期が午前9時から午後5時までですが、冬季期間（概ね12月から3月）は午前10時から午後4時までと短縮されます。
日本庭園: 敷地内には手入れの行き届いた日本庭園があり、道の駅の利用者はここで休憩したり、静かに散策したりすることができます。旅の疲れを癒し、心を落ち着かせるのに適した空間です。

運営

道の駅の管理体制は、施設によって分担されています。駐車場部分は石川県が管理し、直売施設などの主要な建物部分は能登町が管理を担っています。なお、直売施設に関しては、特に指定管理者は定められていません。施設の休館日は毎週月曜日となっており、もし月曜日が国民の祝日にあたる場合は、翌日の火曜日が休館となります。

アクセス

自動車でアクセスする場合、主要なルートは石川県道57号内浦柳田線（通称：珠洲道路）を利用することになります。公共交通機関を利用する場合は、近隣の能登空港（のと里山空港）から車で約10分という比較的近い距離に位置しています。また、北陸鉄道グループの北鉄奥能登バスが運行する特急バスの「桜峠」バス停が道の駅の敷地内に設置されており、穴水駅前、金沢駅西口、すずなり館前、能登町役場前といった方面へ向かうバスが停車するため、バスでのアクセスも可能です。これらのバス路線は「珠洲特急線」および「珠洲宇出津特急線」と呼ばれています。

周辺情報

道の駅 桜峠の周辺には、柳田温泉郷があります。ここでは、日帰り入浴施設や宿泊施設が複数点在しており、道の駅での休憩と合わせて、温泉で旅の疲れを癒すことができます。

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