遠州大橋
遠州大橋
「遠州大橋（えんしゅうおおはし）」は、静岡県磐田市掛塚地区と浜松市中央区三新町とを結ぶ、国道150号掛塚バイパスの一部を構成する道路区間の愛称です。この区間は、かつて静岡県道路公社が管理する一般有料道路として運営されていましたが、2019年（令和元年）9月28日をもって無料化され、現在は自由に通ることができます。
位置と正式名称
遠州大橋と呼ばれる区間の大部分は、雄大な天竜川の流れを跨ぐ長大な橋梁によって構成されています。この橋の正式な名称は「新掛塚橋（しんかけつかばし）」です。新掛塚橋という名前は、同じく天竜川の下流部に架かり、古くから国道150号の本線として利用されてきた「掛塚橋」と区別するために名付けられました。
地理的に見ると、新掛塚橋は天竜川の河口に最も近い位置に架かる橋であり、地域の交通ネットワークにおいて重要な役割を担っています。
建設の背景と目的
遠州大橋を含む掛塚バイパスが計画・建設された背景には、既存の国道150号、特に天竜川を渡る掛塚橋周辺で発生していた深刻な交通渋滞がありました。
掛塚橋の周辺には、当時、天竜川を渡る代替となる橋がほとんど存在しなかったため、交通需要が一極集中し、慢性的な渋滞が問題となっていました。この状況を改善し、地域における交通の円滑化を図ることを主な目的として、新たなルートとして遠州大橋が建設されることになったのです。建設には総額117億円の費用が投じられました。
有料道路時代の状況
1989年（平成元年）9月17日の開通当初、遠州大橋は有料道路として供用が開始されました。しかし、有料であったことや、橋の前後に接続する掛塚バイパスの未整備区間が多く残されていたことから、利用者の伸びは期待されたほどではありませんでした。このため、建設の大きな目的であった周辺地域の交通渋滞の抜本的な解消に、十分な効果を発揮できたとは言い難い状況が続いていました。
現在の状況と構造
2019年9月28日に無料化されたことにより、遠州大橋は通行料金の負担なく利用できるようになりました。現在の車線構成は、片側1車線の合計2車線となっています。
将来的な交通量の増加に備え、道路の拡幅に柔軟に対応できるよう、建設時にはあらかじめ4車線分の用地が確保されています。しかし、現状では交通量はそれほど多くありません。
諸元
遠州大橋（新掛塚橋）を含む有料道路時代の区間の延長は、1.2キロメートルです。
有料道路時代の通行料金
参考として、遠州大橋が有料道路であった時代の通行料金は以下の通りでした。現在は無料開放されているため、これらの料金は徴収されていません。
- - 軽車両等: 10円
- - 普通車・中型車: 100円
- - 大型車: 150円
- - 特大車: 360円
歴史
遠州大橋の主な歴史を以下に示します。
関連項目
遠州大橋の無料化は、地域の交通アクセスを改善し、より広範囲からの利用を促進する上で重要な転換点となりました。今後も国道150号掛塚バイパスの一部として、地域経済や生活を支える役割を担っていくことでしょう。
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