遠田晋次

遠田晋次

プロフィール

遠田晋次氏は、1966年生まれの日本の地震学者です。東北大学災害科学国際研究所の教授として、地震学の研究に取り組んでいます。博士（理学）の学位を東北大学で取得しており、地震に関する深い知識と研究実績を持っています。

学歴と職歴

宮崎県延岡市で生まれ、宮崎県立延岡東高等学校（現：宮崎県立延岡星雲高等学校）を経て、鹿児島大学理学部地学科を卒業しました。その後、東北大学大学院理学研究科の博士課程前期を修了し、地震学の研究者としての道を歩み始めました。

これまでに、電力中央研究所、米国地質調査所 (USGS) 客員研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授など、数々の研究機関で要職を歴任してきました。そして2012年10月からは、東北大学災害科学国際研究所の教授として、地震災害の研究と教育に力を注いでいます。

研究業績

遠田氏の研究は、地震の発生メカニズムの解明、活断層の評価、地震ハザード評価など、多岐にわたります。特に、内陸大地震で発生する誘発性地表地震断層や短い活断層の評価に関する研究、地震の余震継続時間が地震ハザード評価に与える影響に関する研究は、国際的にも高く評価されています。

主な研究業績としては、以下の論文が挙げられます。

遠田晋次・石村大輔 (2019) 熊本地震など内陸大地震で見いだされた誘発性地表地震断層と短い活断層の評価，第四紀研究，58，121-136.
Toda, S., and R. S. Stein (2018) Why aftershock duration matters for probabilistic seismic hazard assessment, Bulletin of Seismological Society of America, 108, 1414-1426.
Toda, S., Kaneda, H., Okada, S., Ishimura, D., and Mildon, Z. (2016) Slip-partitioned surface ruptures for the Mw 7.0 16 April 2016 Kumamoto, Japan, earthquake, Earth, Planets and Space, 68, 188.
Toda S., Stein R. S., Beroza G. C., Marsan D. (2012) Aftershocks halted by static stress shadows, Nature Geoscience, 5, 410-413, 10.1038/ngeo1465.

これらの研究論文は、地震学の分野において重要な貢献をしており、今後の地震研究に大きな影響を与えると考えられます。

所属学会

遠田氏は、以下の学会に所属し、国内外の研究者と交流しながら、地震学の発展に貢献しています。

日本地震学会
地球惑星科学連合
日本応用地質学会
日本活断層学会
American Geophysical Union
Seismological Society of America

著書

遠田氏は、地震に関する知識を広く一般に伝えるため、以下の書籍を執筆しています。

『連鎖する大地震』岩波書店、2013年。
『活断層地震はどこまで予測できるか　日本列島で今起きていること』講談社、2016年12月。

これらの書籍は、地震のメカニズムや防災対策について、一般の人々にもわかりやすく解説しており、地震に対する理解を深める上で貴重な情報源となっています。

まとめ

遠田晋次氏は、地震学の分野で顕著な業績を上げている研究者であり、その研究は、地震災害の軽減に大きく貢献しています。また、研究活動だけでなく、教育や啓発活動にも熱心に取り組んでおり、社会全体として地震に対する防災意識を高める上で重要な役割を果たしています。

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