遠藤ゆり子

遠藤ゆり子の研究と業績

遠藤ゆり子（えんどう ゆりこ、1970年生まれ）は、日本の歴史学者であり、専門分野は日本中世史、特に戦国時代の南東北地方研究です。彼女は淑徳大学人文学部歴史学科で教授として、多様な学問的視点から史学を教えています。

人物・来歴

遠藤は山形県で生まれました。彼女の学問の道は2005年に立教大学大学院文学研究科でスタートし、そこで「中近世移行期の地域社会」をテーマに研究を行い、博士（史学）の学位を取得しました。この博士課程修了後、弘前学院大学社会福祉学部で専任講師として活動。その後、淑徳大学に移り、歴史学科の准教授を経て教授に昇進しました。彼女の主な研究分野は中世東北史であり、特に戦国時代における地域社会の動向に焦点を当てています。

主な著書

遠藤の著書には、地域史に根ざした研究成果が反映されています。代表作の一つには、2016年に発行された「戦国時代の南奥羽社会 大崎・伊達・最上氏」があります。この書では、南東北地方の戦国時代における社会構造や武士たちの動向について詳述されています。また、この書籍は2022年にオンデマンド版が出版され、学術的な関心を集めています。

さらに、2017年に発表された「中近世の家と村落 フィールドワークからの視座」では、フィールドワークの視点から中世の家族や村落の在り方を探求し、当時の社会の実態をより具体的に描いています。

共編著・論文

遠藤は個人の研究だけでなく、他の研究者との共同研究や論文の執筆も行っています。たとえば、2007年には「再考中世荘園制」という書籍を蔵持重裕、田村憲美と共に編纂しました。この書は中世荘園制に関する再考を促すもので、多面的な視点からの議論が交わされました。

また、2012年には「産金村落と奥州の地域社会 近世前期の仙台藩を中心に」を池享と共著で執筆し、地域社会の発展を探る重要な論考を発表しました。これらの業績は、東北地方の中世に特有の社会的、経済的な状況を理解する上で貴重な資料となっています。

さらに、2016年には「東北の中世史 4 伊達氏と戦国争乱」を編纂し、伊達氏に焦点を当てた戦国時代の争乱について詳細に探求しています。2019年には「戦国大名伊達氏」というテーマで、シリーズ・中世関東武士の研究として編著の書籍を出版し、より広範な視野から戦国時代を捉える試みを行っています。

まとめ

日本史学者遠藤ゆり子は、戦国時代の南東北地方の社会や歴史を深く掘り下げる研究を行い、その成果を多くの著書や論文として発表しています。彼女の研究は、地域史の理解を深めるだけでなく、その時代の人々の生活や考え方に光を当てます。今後のさらなる研究活動にも期待が寄せられています。

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