遠野街道

遠野街道について

遠野街道（とおのかいどう）は、岩手県の盛岡市と同県の遠野市を結ぶ重要な街道です。この道は、地方の文化や交通の発展に寄与してきた歴史的な経路としての役割も果たしてきました。

歴史的背景

『阿曽沼興廃記』によれば、建武年間（1334-1338年）にはすでに、花巻と横田（現・遠野市）や、横田と大槌・釜石を結ぶ道路が存在していたとされます。時を経て、元和3年（1617年）に南部利直がこの道に手を加え、旧遠野街道が大きく曲がっている点を懸念して、より直線的な経路に変更しました。新たな道は盛岡城下から稗貫郡大迫村（現在の花巻市）を経て、閉伊郡横田村（現・遠野市）へと通じています。これは、現在の国道396号とほぼ同じルートです。

また、遠野からは界木峠を越え大槌へ、仙人峠を越えて釜石へとつながる道もあり、その経路は内陸部と海岸を結ぶ重要な交通路として機能しています。このように、遠野は閉伊海岸と内陸を結ぶ交通の要所であり、多くの物資が集まっていました。特に、海岸部からの運搬物は海産物が中心で、幕末の頃には釜石からの鉄が大きな重要資源となっていました。

明治8年（1875年）以降、道が改修され、達曾部から遠野間の路線が見直されましたが、旧道の方が近いため、多くの人々は依然として旧道を利用していました。

宿場と伝馬継所

遠野街道沿いにはいくつかの宿場や伝馬継所が設けられており、交通の要所として利用されていました。具体的には以下の点が挙げられます：

• - 盛岡城下（岩手県盛岡市）
• - 乙部宿（同上）
• - 大迫宿（岩手県稗貫郡大迫町）
• - 達曽部宿（岩手県遠野市宮守町）
• - 横田宿（同上）

これらの宿場は、旅行者や商人が休息し、物資を運搬する重要な場所として機能していました。

まとめ

遠野街道は、地域の発展や文化の交流において重要な役割を果たしてきた街道です。近年においても、観光や歴史を学ぶための資源として注目されています。沿道にはその歴史を語る痕跡が残っており、訪れる人々にとって興味深い体験となることでしょう。

もう一度検索