遥かなる大地へ

映画『遥かなる大地へ』の紹介

『遥かなる大地へ』は、1992年にユニバーサルが制作した作品で、監督はロン・ハワードが務めています。この映画は、19世紀のアメリカ・オクラホマ州での実際の事件であるランドラッシュを背景に、アイルランドから夢を持ってやって来た青年の物語を描きます。主演にはトム・クルーズとニコール・キッドマンが名を連ねており、当時夫婦だった彼らの共演も話題となりました。また、この作品は映画史上初めて“パナビジョン・スーパー70mm方式”で撮影されたことでも注目を集めました。

ストーリー概要

物語は1892年の西アイルランドから始まります。ここでは小作農民たちが土地を持たず、裕福な地主に地代を支払いながら生活をしています。しかし、地主の横暴に対して彼らは怒りを抱き、抵抗運動を起こしていました。ある日、地主の一人が小作農民たちによって追い詰められ、銃を発砲します。この際、主人公ジョセフ・ドネリーの父が被弾し、父親は「土地を持て」との遺言を残して亡くなります。

地代を払えずに家を焼かれたジョセフは、復讐の決意を固めますが、その途中で出会った地主クリスティーは意外にも気さくな性格の持ち主でした。しかし、ジョセフはクリスティーに銃を向けるも、古びたライフルが暴発し、怪我を負ってしまいます。クリスティーの娘シャノンは上流社会に嫌気が差し、アメリカでの新たな生活を求め家出を決意します。彼女はジョセフに同行を求めますが、ジョセフは彼女の高飛車な態度に反発してこれを断ります。

実は小作農民たちを苦しめていたのは、クリスティー家の冷酷な財務管理者スティーブンでした。スティーブンはジョセフを抹殺するために決闘を挑みます。その決闘の途中、ジョセフはシャノンに拉致され、アメリカ行きの船に乗り込むことになります。

ジョセフたちが目指すオクラホマ州は、夢の土地獲得レースが行われる場所であり、彼らはボストンからの長旅を経て、そこで新たな人生をスタートさせることを誓います。しかし、港でのトラブルにより、シャノンは財産を失い、酒場での試合を通じてお金を稼がなければなりませんでした。アイルランドでは、クリスティー邸が小作農民たちによって焼かれてしまう事態が発生し、父親は娘を追ってアメリカへ向かうことを決意します。

ジョセフとシャノンは互いに惹かれ合いながらも困難に直面します。ジョセフは拳闘の試合に敗れ、結果として離れ離れになってしまいますが、オクラホマでの土地獲得レースで再び運命が交わります。彼らはそのレースに参加するため現地に到着し、再会を果たします。最終的には愛を確認し合い、小さな土地を手に入れることに成功します。

評価と受賞

この作品は、Rotten Tomatoesでの支持率が50%であり、平均点は5.20/10となっています。また、Metacriticでも68件のレビューの元、加重平均値は49/100という評価を得ています。映画としての出来は賛否が分かれましたが、史実を元にしたドラマチックな展開と、主演の二人の迫真の演技が観客を引き付けました。

『遥かなる大地へ』は単なる恋愛劇や冒険物語だけでなく、当時の社会の厳しさと人々の夢を映し出した力強い作品です。そのビジュアルとストーリーが融合した本作は、多くの観客に愛され続けています。

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