避難橋

避難橋（ひなんきょう）について

避難橋とは、火災などの緊急時に、建物の屋上や途中の階から他の建物に避難するための橋のような構造物です。この橋は、火災時に隣接する建物へ移動し、そこから階段を通じて地上へ安全に避難する手段を提供します。一般的に避難橋は、橋げた、床板、巾木、そして手すりなどの要素で構成されています。

構造と種類

避難橋は、基本的に二つのタイプに分類されます。一つは、両端が固定されており、常に使用可能な固定式避難橋です。もう一つは、使用時にのみ設置される移動式避難橋です。特に移動式避難橋は、公共用道路上空に設けられることが一般的です。

なお、避難橋の設置には、建物の所有者同士の協力が不可欠であり、建物の構造や周辺の条件によって採用できるかどうかが決まります。したがって、全ての建物に容易に適用できるものではなく、適切な条件が整っている場合にのみ設置されます。

設置方法と安全基準

避難橋の設置には特別な基準があり、防火対象物の堅固な部分、例えば柱や床、梁などにボルトや溶接で取り付ける必要があります。使用される構材は、不燃性の材料で作ることが求められており、主要部材には鋼材などの耐久性のある素材が適用されます。また、必要に応じて防錆処理も施されます。

設置に関する基準では、避難橋の幅は最低60cm以上である必要があり、床板には滑り止めの加工が必要です。コストや機能性の観点から、勾配は1/5未満でなければならず、階段状のものについてはこの限りではありません。手すりの高さは1.1m以上で、手すりの子間隔は18cm以下と法律で定められています。巾木の高さも10cm以上とすることが求められ、安定性を確保します。

さらに、避難橋は設計上、積載荷重の基準として3.3kN/m2に耐えなければなりません。また、たわみについては支点間隔の1/300を超えないような設計が必要です。

関連項目

避難橋に関連する構造物には、渡り廊下、滑り棒、滑り台、避難はしご、避難ロープ、緩降機、救助袋などがあります。これらの装置も同様に、緊急事態における避難手段として重要な役割を果たします。

最後に、避難橋の設置や運用に関する情報は、大脇賢次著『図解 早わかり消防法』（ナツメ社、2008年）などの文献が参考になります。これにより、避難橋の具体的な技術基準や安全確保のための知識を深めることができるでしょう。

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