那古船形駅

那古船形駅

千葉県館山市船形に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）の内房線が乗り入れる駅です。房総半島の西岸沿いを走る内房線において、古くから続く那古地区と船形地区の境界付近に位置しています。

歴史

この駅は、大正時代にあたる1918年（大正7年）8月10日に営業を開始しました。昭和期に入ると、サービス形態の変更が行われ、1971年（昭和46年）7月1日には鉄道による荷物の取扱いが廃止されます。翌月8月18日には駅員配置がなくなり、無人駅となりました。国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本の駅として運営が引き継がれています。平成に入り、2009年（平成21年）3月14日には首都圏で広く利用されているICカード「Suica」での乗降が可能となり、同時に東京近郊区間にも組み込まれました。その後、2019年（平成31年）には構内の構造が変更され、3月16日をもって千葉方面のりばとして使用されていた旧1番線が撤去され、単線化されました。そして、同年4月1日からは再び終日無人駅として運用されています。

駅構造

地上に位置する単式ホーム1面1線を持つ構造の駅です。以前は列車交換が可能でしたが、2019年の改修により棒線化されました。ホームの高さは旧来のまま、嵩上げは行われていません。かつての旧1番線ホームがあった場所では、線路や架線、信号機、さらにホーム間を結んでいた跨線橋も撤去されました。その跡地を利用して、駅舎と現在のホームを結ぶ新たな通路が設けられ、2019年8月24日から利用が開始されています。木更津統括センターが管理しており、実務は館山駅が行っていますが、駅自体は無人です。駅舎内には簡易式のSuica改札機が設置されています。かつて駅員が配置されていた時期には自動券売機はありませんでしたが、窓口の営業時間中に限り利用できたSuicaチャージ機は、無人化に伴い撤去されています。当駅から隣の館山駅にかけての区間は特に強風の影響を受けやすく、列車の速度制限や運転見合わせが発生することが少なくありません。2019年の単線化により当駅での折り返し運転ができなくなったため、運転が中止される際には富浦駅での折り返しが行われます。

のりばの有効長は、11両編成の列車に対応できる長さが確保されています。

利用状況

近年における利用状況としては、例えば2017年度（平成29年度）のデータでは、1日平均の乗車人員が175人でした。JR東日本が公表している情報や千葉県統計年鑑によると、過去の年度においても概ね同程度の利用状況が続いています。

駅周辺

駅は、那古寺（通称：那古観音）などの門前町として知られる那古地区と、古くからの漁師町である船形地区のちょうど間に位置しています。ちなみに、駅名は「なこ」と読まれますが、この地域の地名としては「なご」と発音されるのが一般的です。駅周辺には、幹線道路である国道127号線や千葉県道185号犬掛館山線、千葉県道302号館山富浦線などが通っています。公共施設としては、館山市若潮ホールや館山市立第一中学校、館山市立船形小学校などがあります。郵便局は館山船形郵便局と館山那古郵便局が利用可能です。観光スポットとしては、前述の那古寺のほか、崖に立つことで知られる大福寺（通称：崖観音）、景色の良い潮音台展望台、夏のレジャーに適した那古海水浴場、そして活気のある船形漁港があります。日々の買い物には、ふれあい市場やおどや船形店、金融機関としては千葉銀行那古船形支店や館山信用金庫那古船形支店などが周辺に点在しています。

バス路線

駅前には「船形駅前」という停留所があり、日東交通が運行する路線バスが発着しています。市内線として、館山航空隊行きや小浜行きのバスが利用できます。

隣の駅

JR東日本 内房線における隣接駅は以下の通りです。

富浦駅 ← 那古船形駅 → 館山駅

特記事項

この駅は、AKB48の楽曲「会いたかった」および乃木坂46の楽曲「会いたかったかもしれない」のミュージックビデオ撮影地として使用されたことでも知られています。

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