那須弓雄

那須弓雄（なす ゆみお）は、1892年6月27日に東京で生まれ、1942年10月26日に戦没した日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。栃木県出身で、旧黒羽藩士で官吏であった那須均の長男として生を受けました。

軍歴

那須は、京華中学校、仙台陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1913年5月に陸軍士官学校（25期）を卒業しました。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第59連隊に配属されました。その後、1923年11月には陸軍大学校（35期）を卒業し、参謀としてのキャリアをスタートさせました。

初期の経歴では、参謀本部付勤務、台湾軍幕僚付などを務め、その後、歩兵第19連隊大隊長として部隊を指揮しました。上海派遣軍司令部付、鎮海湾要塞参謀、歩兵第78連隊付など、様々な役職を歴任し、その能力を発揮しました。

その後、関東軍司令部付となり、満州国軍顧問および第3軍管区付として、満州での軍政にも携わりました。その後、歩兵第59連隊長に就任し、部隊の長としての経験を積みました。1940年3月には陸軍少将に進級し、その軍歴はさらに進展しました。

戦争と最期

少将昇進後、那須は歩兵第3旅団長を経て、第2歩兵団長としてジャワ島攻略作戦に参加しました。この作戦では、日本軍は大きな戦果を挙げましたが、那須自身はその後、ガダルカナル島の戦いに従軍することになります。ガダルカナル島での激戦の中、1942年10月に戦死。その功績を称え、死後、陸軍中将に特進しました。

那須弓雄の軍人としての生涯は、大日本帝国陸軍の変遷とともにあり、その活動は、日本陸軍の歴史において重要な一側面を示しています。彼は、若くして軍人としての道を志し、数々の戦地を経験し、その最後は激戦地での戦死という、軍人としての宿命を全うした人物でした。

親族

那須の長男である那須明もまた陸軍軍人としてその名を残しており、陸軍大尉から最終的には陸将にまで昇進しています。那須家は軍人一家であり、日本の近代史において重要な役割を果たした家系の一つと言えるでしょう。

参考文献

那須弓雄に関するより詳細な情報は、以下の文献を参照することができます。

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

これらの文献は、那須弓雄の経歴や、当時の軍事状況を理解する上で非常に貴重な情報を提供しています。

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