那須田稔

那須田稔：子供たちの心に灯をともした児童文学作家

那須田稔（なすだ みのる）は、1931年4月10日に生まれ、2023年7月11日に92歳で亡くなった日本の児童文学作家です。彼の作品は、子供たちの想像力を刺激し、心に深く残る物語として、世代を超えて愛されています。

満州での幼少期から作家への道

静岡県浜松市出身の那須田は、幼少期を中国東北部（旧満州）で過ごしました。浜松第二中学校（現在の静岡県立浜松西高等学校）を卒業後、東洋大学文学部国文科、愛知大学文学部中国文学科で学びました。当初は詩人として活動していましたが、1962年に「ぼくらの出航」で児童文学作家としてデビューを果たしました。

受賞歴と作品

1965年、「シラカバと少女」で日本児童文学者協会賞とサンケイ児童出版文化賞を受賞。同年、「おとぎばなしシリーズ」で毎日出版文化賞を受賞するなど、数々の賞に輝きました。1978年には、故郷の浜松市で「ひくまの出版」を創立し、地域に根ざした出版活動を展開しました。

代表作の一つである「忍者サノスケじいさん」シリーズは、1988年から書き始められ、長年にわたり子供たちに親しまれました。ユーモラスなキャラクターと冒険に満ちた物語は、子供たちの心を捉え、多くのファンを魅了しました。

家族と晩年

那須田は、作家の那須田淳を息子に持ち、児童文学作家の岸川悦子は実妹にあたります。文学一家として、日本の児童文学界に貢献しました。

2023年7月11日、胆のうがんのため静岡県湖西市の病院で逝去。92歳という長寿を全うし、多くの人々に惜しまれながらも、その作品は今もなお読み継がれています。

那須田稔の主な著書

『ぼくらの出航』（1962年）
『シラカバと少女』（1965年）
『チョウのいる丘』（1968年）
『ひめゆりの少女たち 沖縄戦にちった女生徒隊の悲げき』（1970年）
『砂漠の墓標 ある15歳の物語』（1976年）
『忍者サノスケじいさん』シリーズ（1988年 - ）

翻訳作品

『西遊記』（196-）
『アルプスの少女』（1963年）

那須田稔の作品は、子供たちに夢と希望を与え、豊かな心を育む力を持っています。彼の残した数々の物語は、これからも世代を超えて読み継がれ、子供たちの心に温かい光を灯し続けるでしょう。

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