郷司浩平

郷司 浩平の生涯と業績

郷司浩平（ごうしこうへい）は、1900年10月16日に大分県で生まれました。彼は、日本の経済界に多大な影響を与えた実業家であり、第3代日本生産性本部会長でもあります。青年時代にはキリスト教伝道師を目指しており、その後、青山学院神学部を卒業したものの、彼の人生は大きく変わることになります。

経済の道へ転向

1927年に青山学院神学部を卒業した郷司は、アメリカのニューヨークにあるユニオン神学校に進学しました。しかし、1929年に起きたウォール街の株価大暴落を目の当たりにし、経済の重要性を痛感することになります。彼は経済分野に転身することを決意し、1930年に帰国。その後、経済評論家の高橋亀吉が主宰する『経済情報』の編集長として活動を始め、1936年には中外商業新報社発行の『中外財界』の主筆を務めることとなります。

戦時中の活動

戦争が勃発すると、郷司は1941年に重要物資統制を担当する「重要産業協議会」の調査部長に就任し、1944年には事務局長に任命されました。戦争が終結すると、彼の新たな挑戦が始まります。

経済同友会の設立

1946年、郷司は諸井貫一と共に経済同友会を設立しました。この団体は、若手の財界人たちの交流と経済発展を目的としていました。郷司は、事務局長として会を率い、戦後の日本経済の再建に寄与する重要な役割を果たします。

生産性運動の推進

1951年、郷司は欧州視察に赴き、戦後復興を進める西欧諸国の労使協調の様子を目の当たりにしました。この経験から、日本でも生産性運動を導入する必要性を強く感じ、帰国後すぐに様々な方面にアプローチしました。1955年には、日本生産性本部を設立し、石坂泰三を会長に据え自身は専務理事に就任。彼は「生産性運動3原則」として、雇用の維持拡大、労使の協力、成果の公平な分配を掲げ、積極的に活動を推進しました。

国会議員との関わり

1972年には、日本生産性本部の第3代会長に就任します。1979年には、国際勝共連合や自民党の国防関係国会議員とともに、「スパイ防止法制定促進国民会議」を設立。郷司はその呼びかけ人の一人として活動し、政治の場でも影響力を持っていました。

名誉会長としての最後

1986年には、日本生産性本部の名誉会長に就任し、彼の経済界でのキャリアはさらに輝きを増しました。そして1989年10月11日、郷司浩平は89歳でこの世を去りました。彼の業績は、日本経済の発展に大きな貢献を果たしたと言えるでしょう。

郷司浩平の一生は、彼が経済の発展に寄与するために多くの時間とエネルギーを捧げたことを物語っています。彼の残した理念や活動は、今でも多くの経済人に受け継がれています。

もう一度検索