都市交通審議会答申第1号

都市交通審議会答申第1号について

1956年8月14日、運輸大臣に提出された「都市交通審議会答申第1号」は、東京都およびその周辺地域の交通インフラについての第一次答申です。本稿では、答申第1号の主旨を中心に、その後の鉄監第1137号や建設省告示第835号との関連について述べます。

この答申は、1975年を目指し、国有鉄道と地下高速鉄道の整備を計画していました。特に、1955年の人口約1300万人が20年後の1975年には約1800万人に増加するという予測に基づき、通勤や通学の需要に応じた交通インフラを整備することを目的としています。しかし、計画時点ではすでに東京圏の交通需要は大幅に増加しており、1960年には新たな路線だけではこれに対応できないことが明らかになりました。このことから、1962年6月8日に发布された答申第6号によって、地下鉄整備計画は改訂されています。

地下高速鉄道の整備計画

答申第1号では、都心から11方向への鉄道を整備することが提案され、各路線が効率よく連絡できるよう考慮されています。具体的な路線図はこの答申では示されませんでしたが、都市計画により遅れて整備される予定です。また、郊外私鉄との直通運転を実施することで、都心へのアクセス時間を短縮し、乗り換えの混雑を軽減する目的も掲げられました。

そのためには、従来の地下鉄の規格に縛られることなく、郊外私鉄との規格を統一する必要があるとされました。この直通運転を実現するため、東京都は都心に至る地下鉄の建設を行う帝都高速度交通営団を中心にしつつ、他の事業者も共同で建設を進める方針です。

鉄監第1137号による具体的な運営方針

1957年6月13日、運輸省は関係者に対して地下高速鉄道の建設に関する通達を行い、同年9月30日には鉄監第1137号にてその内容を正式化しました。ここでは、営団と他の私鉄との直通運転について具体的な方針が示されています。

特に、営団と東武鉄道、東京急行電鉄が北千住から中目黒までの新設路線で相互直通運転を行うこと、また東京都と京成電鉄、京浜急行電鉄が押上から馬込及び泉岳寺から品川までの新設路線で相互運転を行うことが合意されました。これらの計画に基づき、各社は相互直通運転に関する覚書を交わし、建設計画が進められることとなりました。

さらに、営団が北千住から中目黒の地下鉄を建設し、東京都が押上から馬込の区間を、京急が泉岳寺から品川までの区間を建設する方針が確認されました。

今後の展望

都市交通審議会答申第1号を起点に、東京における地下高速鉄道の整備は、都心と郊外を効率的に結ぶための重要な一歩となりました。この計画は、それ以降の都市交通の発展にも大きな影響を与えています。

交通需要が一層増加するなか、地下鉄整備計画がいかに進展し、都心とその周辺の交通インフラがどう変化していくのかは、今後の都市構造や経済活動にとっても重要な要素となるでしょう。

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