都祁水分神社

都祁水分神社（つげみくまりじんじゃ）は、奈良県奈良市都祁友田町に位置する、歴史ある神社です。式内大社として知られ、かつては県社にも列せられました。

祭神

この神社では、以下の三柱の神々が祀られています。

速秋津彦神（はやあきつひこのかみ）
天水分神（あめのみくまりのかみ）
国水分神（くにのみくまりのかみ）

これらの神々は、水の恵みを司るとされ、古くから人々の信仰を集めてきました。

歴史

創建年は明確ではありませんが、社伝によると飛鳥時代に遡るとされています。当初は都祁山口神社（小山戸）の地に鎮座していたと伝えられています。現在の場所に移されたのは、聖武天皇が行幸の際に利用した堀越頓宮の伝承地であり、平安時代には都介頓宮として、伊勢斎宮の皇女の宿場としても使われたとされています。

『延喜式』には大社として記載され、月次祭や新嘗祭には官幣が供えられていました。中世には、社領が興福寺喜多院二階堂の荘園となり、その開発とともに水分神への信仰が広まりました。天禄3年（972年）には、荘園の中心地であった友田（現在の鎮座地）へと遷座されました。鎌倉時代初頭には、喜多院二階堂領が同じ興福寺の大乗院領に移り、明応8年（1499年）には現在の本殿が建立されました。

神階

都祁水分神社は、その歴史の中で以下の神階を受けています。

承和7年（840年）10月7日：無位から従五位下（『続日本後紀』には「水分神」と表記）
天安3年（859年）1月27日：従五位下から正五位下（『日本三代実録』には「都祁水分神」と表記）

これらの神階は、神社が朝廷から重視されていたことを示しています。

境内

境内の具体的な記述は省略しますが、歴史と自然に囲まれた静寂な空間が広がっています。

文化財

都祁水分神社は、貴重な文化財を所蔵しています。

重要文化財（国指定）

都祁水分神社本殿（附 棟札6枚）（建造物）：室町時代後期、明応8年（1499年）に建立されたもので、1907年（明治40年）8月28日に重要文化財に指定されました。その建築様式は、当時の技術と美意識を今に伝えています。

奈良県指定文化財

有形文化財：金銅装神輿（工芸品）：室町時代、康正3年（1456年）に作られたもので、1975年（昭和50年）3月31日に指定されました。精巧な装飾が施されており、当時の工芸技術の高さを物語っています。

脚注

[参考文献] 社頭案内板

関連項目

水分神
闘鶏国造
大和国の式内社一覧

外部リンク

都祁水分神社 - 公式サイト
都祁水分神社 - 國學院大學21世紀COEプログラム「神道・神社史料集成」

都祁水分神社は、その長い歴史と文化の中で、地域の信仰の中心として、また貴重な文化遺産として、今も人々に大切にされています。

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