都築弘

都築弘（つづき ひろむ）氏は、1946年1月12日生まれの日本の裁判官です。名古屋大学法学部を卒業後、同大学院法学研究科修士課程を修了。1973年に名古屋地方裁判所判事補として裁判官のキャリアをスタートさせました。

その後、東京地方裁判所判事、法務省訟務局民事訟務課長、法務省訴務局総務課長、法務省大臣官房参事官など、法務省の要職を歴任。東京地方裁判所部総括判事、法務省大臣官房訟務総括審議官を経て、札幌地方裁判所所長を務めました。

2011年には、東京高等裁判所部総括判事を最後に定年退官。その後、中央労働委員会会長代理に就任し、労働問題にも尽力しました。2016年には、長年の功績が認められ、瑞宝重光章を受章しています。

裁判官としての活動においては、東京都教育委員会が通達した国旗・国歌に関する義務付けについて、日野「君が代」伴奏拒否訴訟判決を踏襲し、教育基本法や日本国憲法第19条に反するものではないとする判断を示しました。この判断は、教育現場における思想・良心の自由と、学校教育における指導の在り方という、重要な問題を提起するものとして注目されました。

また、都築氏は裁判官としての実務経験に基づいた著書も発表しており、2015年には『不当労働行為の審査と訴訟』（ぎょうせい）を出版しています。この書籍は、労働問題における重要な論点である不当労働行為について、具体的な事例を踏まえながら詳細に解説したもので、実務家や研究者にとって重要な参考資料となっています。

都築弘氏は、裁判官としての豊富な経験と、法務省での要職歴任を通じて、日本の司法制度や行政に大きく貢献した人物です。また、教育問題や労働問題にも見識があり、著書を通じて社会に貢献している点が評価されています。

そのキャリアは、裁判官としての専門性と行政官としての実務能力を兼ね備えた人物として、後進の法曹関係者にとって模範となるものでしょう。

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