都道府県の人口一覧

都道府県の人口一覧とは、日本の各都道府県における人口に関する様々な統計データを集約し、主に人口規模が大きい順に並べたものです。この統計は、総務省統計局が実施する国勢調査の結果を主軸としつつ、各都道府県が公表する推計人口や住民基本台帳に基づくデータなども含まれています。

最も基本となる情報は、5年ごとに実施される国勢調査による人口データです。最新の2020年（令和2年）国勢調査の結果に基づいた都道府県の人口順位は、この一覧の中心的な項目となります。比較のために、統計が開始された1920年（大正9年）以降の主要な年次や、近年の調査結果が併記されることもあります。ただし、1945年（昭和20年）のデータは特殊な人口調査によるものです。多くのオンライン上の統計表では、各年次や項目別に順位を並べ替えられる機能が提供されています。

国勢調査以外にも、各都道府県が毎月発表する推計人口や、住民基本台帳に基づく人口データが利用されることがあります。これらのデータは統計基準日や算出方法が異なる場合があるため、利用時には注意が必要です。例えば、北海道では推計人口を発表していないため、住民基本台帳人口が用いられることがあります。これらの推計人口データも、最新の動向を把握する上で重要な情報源となります。

人口の規模だけでなく、その変動や構造を示す統計も含まれます。例えば、国立社会保障・人口問題研究所が公表する都道府県別の人口増減率の推移は、各地域が人口減少・増加のどちらの傾向にあるか、その速度はどうかを示す指標となります。また、年齢別の人口構成を示す人口ピラミッドは、その地域の高齢化の進行度や将来の人口構成を予測する上で役立ちます。

特に注目される指標の一つに、合計特殊出生率があります。これは一人の女性が生涯に産む子供の平均数を推定したもので、将来の人口動態に大きな影響を与えます。都道府県別の合計特殊出生率は、時代によって傾向が変化してきました。かつては農村部で高く都市部で低い傾向が見られましたが、近年では「西高東低」の傾向が顕著になっています。1970年代の一時期を除いて、一貫して沖縄県が最も高く、東京都が最も低い状況が続いています。2021年データでも、沖縄県が最高（1.80）である一方、東京都は最低（1.08）でした。この西高東低の傾向は、2005年以降、西日本で出生率が回復し、東日本で停滞したことで差が開き、明確になりました。さらに、2020年代に入ってからの新型コロナウイルス感染症の流行下では、全国的に出生率が低下しましたが、東日本の方が低下率が大きく、東西間の格差が拡大しました。この傾向は、都市部ではない東北地方でも出生率が比較的低い（宮城県1.15、北海道1.20、秋田県1.22など）一方、九州地方では多くの県が全国平均を大きく上回るなど、従来の「都市部か地方か」という区分だけでは説明が難しい地域差が存在します。親との同居率といった他の社会経済指標との関連性も単純ではなく、合計特殊出生率の地域差の明確な理由は完全には解明されていません。興味深いのは、戦前の統計では現在とは逆に東高西低の傾向が見られ、1925年時点では北海道や東北北部が出生率上位を占め、沖縄県は全国最低水準だったという歴史があることです。

将来的な人口予測も、この一覧に関連する重要な情報です。国立社会保障・人口問題研究所は、国勢調査結果を基に30年後などの将来推計人口を公表しています。例えば、2020年国勢調査に基づく2050年の推計などがあります。また、将来推計人口は改定されることがあり、2018年と2023年の推計を比較すると、日本の総人口予測が上方修正されたことが分かります。これは合計特殊出生率の低下傾向があるにも関わらず、平均寿命の延伸や外国人流入の増加が影響しているためです。都道府県別に見ると、西日本（近畿以西）では下方修正された県が多く、特に中国・四国地方は全県が下方修正となりました。一方、東日本（中部以東）では上方修正された都県が多く、特に南関東の東京都や千葉県などで大幅な上方修正が見られます。この東西の違いは、出生率の東西格差とは異なり、東京一極集中による人口流入の影響が大きく反映されていると考えられます。

これらの都道府県別人口統計は、各地域の行政計画や経済施策、社会保障制度などを検討する上で不可欠な基礎資料となっています。昼間人口による順位や、面積、市町村別の人口データ、県民経済計算など、他の統計情報と合わせて分析することで、より多角的に日本の地域社会の現状と課題を理解することができます。

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