鄭相昊

鄭相昊（チョン・サンホ）

大韓民国仁川広域市出身の元プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活動しています。主に捕手として長年にわたり韓国プロ野球リーグでプレーしました。

アマチュア時代からプロ入りまで

東山高等学校在学時には、高校球界で屈指の強打者としてその才能を高く評価されていました。MLB球団であるフィラデルフィア・フィリーズからも入団の打診を受けるほどでしたが、彼は国内リーグでのプレーを選択しました。高校卒業後、SKワイバーンズにドラフト指名され入団。当時の新人野手としては金東柱と並び最高額となる4億5000万ウォンという契約金を受け取っており、球団からの大きな期待が伺えます。

SKワイバーンズでのキャリア

プロ入り後、特に2003年にベテラン捕手である朴勍完がFAでSKに加入してからは、彼の経験豊富なリードを学びながらバックアップ捕手としての役割を担いました。2004年から3年間は兵役に就き、一時的にチームを離れます。

野球界に復帰後の2009年シーズン、朴勍完の負傷離脱という事態を受けて、鄭相昊に正捕手の座が巡ってきました。この年、彼は初めて年間100試合に出場し、チームの捕手として貢献しました。翌2010年に朴勍完が戦線に復帰すると再びバックアップ捕手に戻り、出場機会は年間35試合に減少しましたが、少ない打席数ながら6本のホームランを放つなど、持ち前のパワーを発揮しました。2011年にも朴勍完の怪我により、再び正捕手としてチームを支えることとなります。

2012年以降は、ベテランとなった朴勍完に代わり、趙寅成や李宰元といった新たな捕手たちが台頭し、チーム内のレギュラー争いは激化しました。しかし、2014年にライバルの一人であった趙寅成がトレードでチームを離れたこともあり、この年以降は主力捕手としてマスクを被る機会が増加しました。

2015年シーズン終了後、鄭相昊はフリーエージェント権を行使。長年在籍したSKワイバーンズとの残留交渉は合意に至らず、他球団への移籍を決断しました。

LGツインズへの移籍と苦戦

2016年11月、LGツインズと4年総額32億ウォン（別途オプション2億ウォン）という大型契約を結び、移籍しました。この移籍に伴う人的補償として、LGからは崔承浚がSKへ移籍しています。

LG時代には、プロ入り当初から評価されていた強打を期待されましたが、期待に応える十分な活躍を見せることはできませんでした。LGでの通算安打数はわずかに二桁、本塁打数も5本にとどまり、一軍での出場機会も限定的でした。特に目立った活躍は、ポストシーズンでのいくつかのプレーを除けば、レギュラーシーズンではほとんどありませんでした。4年契約が満了した2019年シーズン限りで、LGツインズを自由契約となりました。

晩年と引退、そして指導者へ

2020年、鄭相昊は斗山ベアーズと契約を結び、新たな環境でプレーを続けることになりました。ここでは朴世爀の控え捕手として開幕を一軍で迎えます。シーズン途中には、チームメイトであった捕手の李興練が移籍したため、彼の役割はさらに重要になりました。しかし、シーズン後半にかけては故障の影響もあり、出場機会が減少。このシーズン終了後に、現役引退を表明しました。

ところが、翌2021年3月には引退を撤回し、名称がSSGランダースと変わった古巣に育成選手として復帰するという異例の決断をしました。しかし、同年シーズン終了後の11月には再び自由契約となり、この時をもって事実上選手としてのキャリアを終えました。

現役引退後は、野球指導者としての道を歩み始めました。2022年にはSSGランダースのコーチに就任。その後、2024年からはロッテ・ジャイアンツのコーチとして、後進の指導にあたっています。

プレースタイル・人物

捕手として、強打を兼ね備えていることが特徴でした。斗山ベアーズ在籍時の応援歌は、球団に所属していた別選手のものが流用されていました。

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