配置販売業

配置販売業の概要

配置販売業（はいちはんばいぎょう）は、日本特有の医薬品販売方式の一つで、一般用医薬品をあらかじめ配置し、使用後に代金を請求する仕組みです。この業態は、特に富山県の置き薬として知られています。法律に基づいて運営されており、医薬品医療機器等法第25条および第30条〜第33条に詳細が記されています。

仕組み

この販売形態では、販売員（配置員）が家庭や企業を訪問し、医薬品を含む「配置箱」や「預箱」を設置します。使用者は必要に応じて薬を使用し、次回の訪問時にその分の代金を精算します。この方法は「先用後利（せんようこうり）」と呼ばれ、代金請求は使用後に行われます。

販売に関する規制も厳格で、配置販売業者は医薬品の中でも経年変化が少ないものだけを取り扱うことが求められています。たとえば、第一類医薬品の販売には薬剤師が必要であり、薬剤師が配置業務を行わない場合は販売できない決まりになっています。

許可と管理

配置販売業を行うには、都道府県知事からの許可と、厚生労働大臣からの指定が必要です。許可の有効期限は6年で、業務継続には更新が求められます。さらに、配置員は「配置従事者身分証明書」を携帯しなければならず、その有効期限は2年です。

業界内のルールとして、区域ごとに「区域管理者」を設ける必要があります。この管理者は通常、薬剤師または登録販売者であり、配置員や医薬品の管理を担当します。配置販売業者はこの管理者の意見を尊重しなければならず、適切な運営に努める義務があります。

医薬品の販売

配置販売で扱える医薬品は一般用医薬品に限定され、具体的には第一類医薬品を扱う際は対面での販売が求められます。第二類および第三類医薬品についても、同様の規制があります。医薬品の量り売りは一切禁止されています。これにより、無資格での医薬品販売を防ぎ、消費者の安全を確保しています。

資質向上の取り組み

業界団体では、配置従事者の資質向上を目指し、定期的に研修や講習会を開催しています。配置員が必ずしも薬剤師である必要はありませんが、これは医薬品の無資格販売に関する議論を呼ぶ一因ともなっています。2009年には、配置販売業が特定商取引法の適用対象に追加され、未使用時のクーリングオフ制度が設けられました。

歴史と今後の展望

配置販売業の起源は江戸時代にさかのぼり、富山を中心に広まりました。現代においても、特に医療が不足している地域において、モンゴルやタイなどでの置き薬の普及活動が進められています。このように、国内外における配置販売業の利用促進が期待されています。

配置販売業は、日本の医薬品販売において独自の地位を確立しており、今後もその役割が重要であることが示唆されています。

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