酒井通温

酒井通温

酒井通温（さかい みちはる）は、1912年（大正元年）9月23日に生まれ、1997年（平成9年）1月2日に没した日本の囲碁棋士です。三宅一夫七段門下で、日本棋院に所属し、九段まで昇りました。本名は保一（やすいち）と言います。王冠戦で2度の優勝を果たし、本因坊戦リーグにも入るなど、輝かしい戦績を残しました。また、日本棋院中部総本部に所属し、棋士会長を長く務めるなど、中京碁界の重鎮としてその隆盛に大きく貢献しました。酒井四兄弟の長兄であり、弟には康雄、利雄、義允がいます。実子に酒井栄男七段がいます。

経歴

愛知県岡崎市で生まれた酒井通温は、1924年に名古屋在住の三宅一夫に入門し、囲碁の道を歩み始めました。1927年に入段を果たし、1932年には四段に昇段しました。1940年には五段となり、着実に実力をつけていきました。1948年には、日本棋院東海支部から改称した東海本部に所属し、第5期本因坊戦の関西予選五段級に出場。炭野武司、窪内秀知、瀬川良雄、染谷一雄といった強豪に連勝し、「東海の鬼」と称されました。同年には六段に昇段しています。1952年には、第8期本因坊戦リーグ入りを果たしました。1953年には第1期王冠戦で優勝、1957年にも第3期で優勝しています。1958年に七段、1961年に八段と昇段を重ね、1983年に現役を引退し、九段を贈られました。1985年には、引退棋士による棋戦である第1期シニア棋戦で準優勝を果たしました。1997年、名古屋市の病院で生涯を閉じました。

受賞等

酒井通温は、その長年の功績により、数々の賞を受賞しています。

1976年 大倉賞
1979年 土川賞
1983年 勲四等瑞宝章

兄弟

酒井通温の兄弟もまた、囲碁棋士として活躍しました。

酒井康雄: 酒井通温の次弟。日本棋院中部総本部所属、八段。アメリカでの囲碁普及に貢献し、大倉賞、土川賞を受賞。
酒井利雄: 酒井通温の三弟。日本棋院中部総本部所属、八段。土川賞を受賞。中部総本部理事を務めた。
酒井義允: 酒井通温の四弟。日本棋院中部総本部所属、七段。普及功労賞、土川賞、豊田文化功労賞、大倉喜七郎賞を受賞。トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦創設に尽力。

酒井通温一門からは、多くの棋士が育ち、中京地区の囲碁界の発展に大きく貢献しました。その功績は、今もなお囲碁界に深く刻まれています。

参考文献

『酒井通温・岩田達明・羽根泰正（現代囲碁大系17）』 講談社、1982年

外部リンク

日本棋院「酒井義允」

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