酒匂川橋梁 (御殿場線)

酒匂川橋梁の概要

酒匂川橋梁（さかわがわきょうりょう）は、神奈川県足柄上郡山北町に位置し、御殿場線の山北駅から谷峨駅の間に架かる鉄道橋です。この橋は、酒匂川に渡る3つの鉄道橋から構成されており、各橋が独自の歴史を持ち、鉄道の発展を物語っています。以下に、各橋について詳細に説明します。

第一酒匂川橋梁

概要

第一酒匂川橋梁は、上路式プレートガーダー橋および単純下路平行弦ワーレントラス橋として設計されています。現在のものは三代目にあたり、歴史的には1984年に開通しました。

昔は1889年に単線の200フィートダブルワーレントラス橋として開通し、その後1901年に新しい200フィートの下路曲弦プラットトラス橋に架け替えられました。1944年には上り線が廃止され、現在は単線で利用されています。

第二酒匂川橋梁

概要

第二酒匂川橋梁は上路式プレートガーダー橋であり、1889年には単線で開通しました。当初は100フィートのポニーワーレントラス橋が3連で構成されていました。この桁は錬鉄製で、1916年に撤去されました。

1915年には、東海道本線の六郷川橋梁で使用されていた桁を転用して新しい橋が開通し、1965年に現在の桁に更新されました。この橋は唯一、開通当時の橋脚が残っており、東海道本線の証ともなっています。上り線は1901年に増設されましたが、1944年に廃止され、その構体は博物館等に保存されています。

第三酒匂川橋梁

概要

第三酒匂川橋梁は、国府津方に単純下路平行弦ワーレントラス橋、沼津方に下路曲弦プラットトラス橋が設置されています。設計にあたっては1972年の水害で流失した際にトラス構体が他所から流用されています。

この橋も1889年に開通し、当時は国府津方が200フィートダブルワーレントラス橋、沼津方が100フィートのポニーワーレントラス橋で構成されていました。1901年に改修が行われ、1967年には改良が施されています。1972年の豪雨で流失した後、1973年に復旧され、現在の形式になりました。

映画ロケ地

これらの橋は数々の映画やテレビドラマのロケ地としても知られており、特に東宝のSF特撮映画「地球防衛軍」や、黒澤明の「天国と地獄」に使用されました。これにより、橋梁の美しい景観が映画ファンにも親しまれています。

参考文献と外部リンク

さらに具体的な情報や学術的な考察は、著者小西純一・西野保行・淵上龍雄による一連の研究報告書に詳述されており、歴史的鋼橋に関するデータベースも参照できます。詳しくは、社団法人土木学会のサイト内の「歴史的鋼橋集覧」をご覧ください。

酒匂川橋梁は、その技術的価値だけでなく、時間の経過とともに変わりゆく鉄道の歴史と文化を象徴する重要な遺産として、多くの人々に親しまれています。

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