酒田共同火力発電所

酒田共同火力発電所

酒田共同火力発電所（さかたきょうどうかりょくはつでんしょ）は、山形県酒田市に位置する石炭火力発電所であり、酒田共同火力発電株式会社が運営しています。この発電所は、1977年に稼働を開始し、東北電力と住軽アルミニウム工業株式会社の共同出資により設立されました。最初の発電機である1号機が1977年10月1日に営業運転を開始し、その後1984年には重油から石炭への燃料転換が行われました。2号機は1978年10月6日に運転を開始し、1992年からは同様に重油から石炭へ移行しました。

発電所の特徴の一つは、近年のエネルギー政策に順応する形で、2011年5月からは木質バイオマスの混焼を始めた点です。これにより、環境への配慮をしながらも安定した電力供給を実現しています。さらに、発電所で発生する石炭灰は、セメント原料や園芸用肥料としてリサイクルされるなど、循環型社会の一端を担っています。

経済的な面でも酒田共同火力発電所は地元に大きな影響を及ぼしています。2020年度の売上高は381億円で、これは酒田市の2019年度の一般会計予算の約63.1%に相当します。発電所には114名の従業員が常勤しており、関連業務に従事する地元の協力会社の従業員は380名、さらに定期点検時には追加で320名の人員が必要となります。これらの雇用は、地域経済の安定に寄与しています。

その一方で、発電所の存続については議論が続いています。日本のエネルギー基本計画の下では、石炭火力発電のうち亜臨界圧方式は非効率と見なされており、2030年までに段階的に休廃止される方向が示されています。酒田共同火力発電所の2基は亜臨界圧に分類されているため、将来的には削減対象となる可能性があります。しかし、地元経済への影響を懸念する声が多く、特に酒田港での石炭取り扱い量が非常に高いことから、地元産業との結びつきが強い発電所の今後が注目されています。

発電設備

• - 総出力: 70万kW
• - 1号機

- 定格出力：35万kW
- 使用燃料：石炭（1984年に重油専焼から転換）
- 営業運転開始：1977年10月1日

• - 2号機

- 定格出力：35万kW
- 使用燃料：石炭（1992年に重油専焼から転換）、木質バイオマス
- 営業運転開始：1978年10月6日

参考情報

• - 酒田港
• - 東北電力

酒田共同火力発電所は、地域経済の中心的な存在でありながら、新しいエネルギー技術の導入や環境保護への取り組みも進めている、多面的な役割を果たす重要な施設です。

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