酸化還元指示薬

酸化還元指示薬

酸化還元指示薬（英: redox indicator）とは、酸化還元滴定に用いられる呈色指示薬です。滴定の終点を視覚的に判断するために使用されます。

概要

酸化還元滴定では、滴定液自体が指示薬として機能する場合があります。例えば、過マンガン酸カリウム溶液は、それ自身が反応によって消費されると、濃紫色から無色に変化します。この色の変化によって、滴定の終点を判断できます。また、ヨウ素液はヨウ素デンプン反応を利用して指示薬として使用できます。ヨウ素デンプン反応は、ヨウ素がデンプンと反応して青紫色を呈する現象で、微量のヨウ素の検出にも利用されます。

しかし、多くの酸化還元滴定では、酸化還元指示薬を別途使用するか、酸化還元電位を測定して当量点を求める必要があります。酸化還元指示薬は、酸化還元反応に伴って色が変わる物質で、溶液の酸化還元電位の変化に応じて特定の色を示すように設計されています。

酸化還元指示薬は、酸化体と還元体で異なる色を示す物質です。酸化還元指示薬が溶液に添加されると、溶液の酸化還元電位に応じて、酸化体または還元体のいずれかの形に変化します。この変化によって溶液の色が変わり、滴定の終点を知ることができます。指示薬の選択は、滴定の対象となる反応の酸化還元電位に基づいて行われます。

酸化還元により呈色する代表的な酸化還元指示薬は、多数存在します。詳細は指示薬の一覧をご覧ください。

指示薬の選択

適切な指示薬を選択するために、以下の点を考慮する必要があります。

変色域: 指示薬が色を変える酸化還元電位の範囲。
色の変化: 酸化体と還元体で色が明確に異なること。
反応速度: 指示薬の反応が速く、滴定の終点を正確に示すこと。
可逆性: 指示薬の反応が可逆的であること。

注意点

酸化還元指示薬を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

指示薬の濃度: 指示薬の濃度が高すぎると、滴定の結果に影響を与える可能性があります。
温度: 温度によって指示薬の変色域が変化する場合があります。
共存物質: 共存する物質が指示薬の反応を妨げる場合があります。

関連項目

滴定
酸塩基指示薬
指示薬の一覧

脚注

この記事は、以下の情報を参考に作成されました。

日本分析化学会編、『分析化学辞典』、丸善、2005年
JIS K 8001

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